Crimson in the Darkness -邂逅-(side;lee)-6
「こんな時間に何してンだ、ガキ」
目に入ったのは茶色い髪と緑色の目。あの人と同じ。
泣きそうになる。今まで一人で怖かったんだ。それに、…………生きてたの……?
手を伸ばして、服を掴んだ。もう一人はイヤだよ。お母さん……
「……助けて……」
そこでぷっつりと意識が無くなった。
*****
次の日、目が覚めて初めて解る。
お母さんと間違えたのは、髪と目の色以外、何一つ似てない男の人で、すっごく口が悪い『アーク』って人だった。
これがおれとアークの、おれを拾ってくれた人との出会い。
結果が善くも悪くも、初めて会えて良かったと思えた『他人』だった。