Crimson in the Darkness -決意-Z-1
「表情に出てるんだよねー。いっつも、リーちゃんのコトでなんかあるとさ」
…………。ニヤニヤしてるシエルが何かムカつく。
リアナはリアナで、笑ってないが真面目な顔でジッと見てくるし。
「さっきも『生憎そうなりませんでした』って言ったら泣きそうな顔するし、初めて顔を合わせた時だって、『本国に連れ帰る』って言ったら傷付いた顔してたけど?」
違うの? と問うような顔のリアナ。その傍でシエルが頷きながら続ける。
「リーちゃんが家出した時だって、後で聞いたら、ただの痴話喧嘩が引き金だし」
「…………オイ。だからって、何でそうなるんだよっ?」
「見てて解りやすいから」
「まるわかり」
「ふざけんなっ」
コイツら本気で言ってんのか? あんなガキ相手に……。
「じゃあ、リーちゃんとこの先ずっと会えなくて構わないんですか?」
「………………」
良いのか、と聞かれるとどうも答えられない。
何でだ。おかしい。
会えないくらい良いだろう、別に。あいつが生きてられるんなら。