Crimson in the Darkness -決意-Z-6
「はっ!? 何でンな本国の習わし知ってンだよ!? お前、本国行ったことないだろっ」
「リアナさんから聞いたんだー。なんでも、恋人とか大切な人に自分の十字架を渡すのって、『離れていても命は君と共に』って意味で、本国じゃあプロポーズや告白の時にするらしいじゃない」
「あの女…っ」
余計なこと吹き込みやがって。
「しかも、その相手の十字架を貰えたら、成立になるんだって? じゃ、あの時アークが言ってた『直接貰いに行く』って、そういうつもりなんだよね?」
「…………」
わざわざ答えてられるかっ。無視だ、無視。
「沈黙は肯定。遂に変態に目覚めたかー」
「……オマエ、何しに来たんだよ?」
言うに事欠いて、変態とはな。
「茶化しに」
相変わらずマイペースな奴。
「暇なこったな」
「昼間はね。―――今ごろ、海の上かなあ?」
「だろうな」
時計を見れば3時を回ってる。そろそろ発ってるだろうな。