Crimson in the Darkness -決意-Y-5
「それ!」
いきなり、リアナが声を上げた。
何だよ、『それ!』って。そんで、ひとを指さすな。
「ホントに自覚ないの? だとしたら、ヒューイが言ってた通りだ」
意味解んねぇ。 頷きながら一人で納得すんな。
「んー。アークさんってかなりの鈍感? それともただのお馬鹿サン?」
「どういうイミだよ」
馬鹿って何だよ、馬鹿って!
「だって、ねぇ?」
オレよりも不満そうなリアナはシエルに顔を向けて、同意を求めた。そしたら、シエルも大きく首を縦に振った。
「アークって、リーちゃんのこと好きでしょ?」
小さな咳払いと共にシエルはいきなりほざきやがった。
「は?」
あんなガキを、オレが?