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Crimson in the Darkness
【ファンタジー 恋愛小説】

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Crimson in the Darkness -決意-X-1

 リアナは槍を持つ手に力を込めて、穂先が地面に食い込むまで無情にも貫いた。





『グッ ウア゛アァァッ!』





 完全に地面に刺し貫かれ、対魔の槍に焼かれるヴァンパイアの姿は余りにも無惨。だけど、それを咎めることはしないし、出来ない。それが“役目”である以上は――。



 リアナは表情を変えること無く、自身の後頭部へ手を回す。そして、黒い眼帯を外した。





『!』



「!」





 ヴァンパイアもここにいるリアナ以外の人間も目を剥いた。



 彼女の……リアナの隠されていた左目が赤い。緋色の……リーのあの時の目みたいだ。





『馬鹿なっ』



「人間が赤い目を持つのがそんなに珍しいですか……? まあ、私が望んだわけではありませんが」





 リアナは手に嵌めていた白い手袋を外し、素手でヴァンパイアの額に触れる。そして、ゆっくりと目を閉じた。





『視ルナアァァッ!!』





 拒絶の言葉を叫び、唯一自由な手でリアナの腕を掴み引き離そうとする。だけど、それも直ぐに出来なくなる。リアナに触れていた手が煙を上げて、焼失する。リアナ自身に対魔武器と同じ浄化作用があるのか……。




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