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Crimson in the Darkness
【ファンタジー 恋愛小説】

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Crimson in the Darkness -決意-X-2

「“視る”って……確か精神干渉だよね……」





 掠れた声でシエルが呟いた。状況の整理って訳じゃないが、今、オレたちの目から見て解るのはその程度ってことなんだ。



 精神干渉は、相手の精神に術者が直接触れ、感情や過去を視ること。出来ない筈だ……普通の人間には。これは悪魔が得意とする能力(ちから)だ。



 シエルの言葉に何かを返せるわけもなく、オレはただ、この状況を見ているしか出来ない。でも、爺さんは違った。





「有り得ん……有り得ん。まさか……成功していたとでも言うのか…………」





 『成功』? 『成功』って何だ……?





「―――……十分ですね。本国の辺りで“門(ゲート)”が出来てるのか……」





 リアナはヴァンパイアの額から手を離した。





『貴様ッ 貴様アァッッ!!』





 ヴァンパイアが吼え、もがくが手は既に無く、他の部位も煙を上げている。





「―――銀翼は神の遣い。息吹く風は神の吐息。安らぎを……」





 首に提げた金の十字架を握り締め、リアナは呪を唱えた。




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