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Crimson in the Darkness
【ファンタジー 恋愛小説】

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Crimson in the Darkness -決意-T-3

「リー」



「…………大丈夫、です。もう……」





 そう聞こえて、リーの顔を覗きこむとさっきまでとは違って、呼吸も整っているし、表情も穏やか。ただ、眠ってるだけなのか。





「お前は大丈夫なのか?」



「すっかり……忘れられてるのかと…………思いましたけど……?」





 聖母像の台座に寄り掛かるように座ったままのリアナは苦笑を浮かべていた。どっちかと言うと、リアナの方が拙(まず)そうなカンジが否めない。





「リアナさん…………顔色が悪いですよっ? 部屋を準備しますから行きましょう。歩けますか?」





 リアナに駆け寄ったシエルが慌てた声で問い掛ける。すると、乾いた、感情が沿わない声で短く笑うとリアナは弱い口調でシエルに微笑を向けた。





「まだ、ちょっと、……このままで居させてください。それより……、リーちゃんを」



「僕が付いてるよ。アーク、行って来な」



「ああ。頼む」





 リアナのことは取りあえずシエルに任せて、オレはリーを抱えて礼拝堂を後にした。



 礼拝堂の近くにある来賓者用の部屋へ歩いていくと、後ろから扉が閉まる音が聞こえ、足音が遠ざかっていく。…………爺さん、か? まあ、いい。後で戻るから。



 空き部屋の一つに入って、簡易ベッドにリーを寝かせた。ブランケットを掛けて、赤い癖っ毛を手で梳いてやると、リーは深く息を吐く。




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