EP.5 お兄ちゃんは超デカブツ-7
「今日は乗り気じゃないんだな。ただおちんちんが見たかっただけとは、奥床しいな。流行りの言葉でいうなら草食系女子か」
「黙れこの猛獣、ケダモノ。いつまでもそんなものぶらぶらさせて何考えてんのよ!」
自分の行動に非があるとは夢にも考えないとは、さすが通り名に恥じない変態である。
今のところは一旦諦めまた夜中に襲おうと決めて、トランクスを履こうとした。
「あっ、電話。私が出る」
こんな時間に誰からだろう、と典明は首を傾げる。
もしかして顧問の先生からだろうか?今日は不真面目だったので明日尻を竹刀で叩くつもりでは・・・
「今どこにいるの。全然携帯も通じなかったし・・・いや、事前にメモ書きしといたとかそうじゃなくて、それで・・・ちょ!」
だが電話はすぐに切れてしまった。
短い話の内容からして、おそらく長い間音信不通だった両親からだろう。
「誰だ、母さん達か」
こくん、と頷いてからひかりは続けた。
「明後日には帰るって。それだけ言って切られちゃった」
「はあー良かった、ケツの肉を削ぎ落とされずに済んだ」
「・・・あ?」
「こっちの話だ。それより、俺は風呂に入る。覗くなよ」
「お前が言うなってつっこんでほしいの?」
典明は脱ぎ捨てた服を持ってそそくさと逃げる様に脱衣場に向かった。
洗濯籠にそれを放り込み、浴室のドアを開ける。
「・・・ちっ、もうチャンスは明日しか無くなったな。もう少し気を遣ってほしいもんだ」
自慢の大砲をごしごし磨きながら、舌打ち混じりに愚痴をこぼした。
どうせなら夏休み一杯は旅行していればいいものを、突然出かけて突然帰ってくるとは、自由気まま過ぎる。
「両親がいてはひかりの処女を奪えるチャンスが激減してしまう。これは何としても今夜・・・駄目でも明日中に、必ず!」
そっちの方こそ勝手過ぎる欲望を漲らせながら、典明は全身をタオルで洗った。
「・・・・・?!」
すると、ガラス戸を誰かがノックしてきた。
自分以外にいるのはひかりだけだし、だとしたら一体何の用事だろうか?
「・・・お兄ちゃん、あのさ・・・」
「きゃあ!覗くなって言ったじゃない、ちょっと見ないでよこの好色女子!」
「あ・・・明日・・・お兄ちゃんが帰ってきたらさ・・・」
典明のふざけた言葉も無視して、ひかりは何やらぼそぼそ話し掛けている。