Island Fiction第5話-1
わたしは屋敷から救い出された後、PTSDと薬物中毒の治療のために三年の月日を精神病院で過ごした。
退院後、身寄りのないわたしを引き取ったのは児童養護施設だった。
わたしは表向きには当たり前の子供として暮らした。
わたしは初めて自由を手に入れた。
同時に不自由も有することになった。
鳥は空気がなければ飛べないなんて慣用句は当てはまらない。
わたしにはもともと翼がなかったからだ。
わたしには群れに加わって飛び回る力がなかった。
スミレ姉様とクルミとアザレア以外の同世代の人間に接したことがないのだ。
施設には十八歳から七歳までの子供たちが暮らしていた。
最年長は男の子だった。
親から相当酷い虐待を受けたとかで、一切心を開くことがなかった。
わたしは二番目の年長者だったけれども、やはりお姉さんとして振る舞うことはなかった。
まともにコミュニケーションを取ることすらなかった。
その上、わたしの過去をネタに、職員の武井はわたしを脅迫した。
別にバレたところでどうと言うことはなかったし、白を切ればよかったのだけれども、わたしは抵抗しなかった。
施設に入って二日目で、わたしは武井に陵辱された。
毎日のように強姦された。
トイレの中、人気のない夜の裏庭、子供たちが寝静まるすぐ横で、武井は所を選ばなかった。
武井のペニスは変わっていた。
サオの真ん中辺りが極端にくびれていて、瓢箪のようだった。
病気ではなかったから、わたしは気にしていなかった。
フェラチオを強要されたとき、何気なしに軽く咳き込んだことがあった。
武井は奇形のペニスを笑われたと思ったのだろう。
顔が変形するほど殴られた。
一週間入院した。
施設へ帰ったとき、心配したんだぞ、元気になってよかった、と武井は白々しく涙を流した。
武井は院長の息子だった。
父親は事件が露呈するのを恐れて隠蔽した。
他の職員も職場を失うことは避けたかったし、武井の虐待はわたしにのみ向けられていたので暗に容認した。
まったくバカバカしいことだけれども、武井はわたしが性奴隷になったのだと本気で信じていた。
エロアニメやアダルトゲームをわたしに見せて、同様のプレイを強要した。
わたしが拒否すると、結局は普通に挿入した。
首筋を舐められても、乳首を舐められても、太ももを舐められても、クリトリスを舐められても、オマンコを舐められても、ナメクジが這っているようで気持ち悪いだけだった。
いつでも濡れることはなかったから、ローションは欠かせなかった。
ない時は唾をたっぷり付けて代用しなければならなかった。
武井はバックしか体位を知らなかった。
子供のオモチャのようにカクカクと腰を振って、一分もしないうちにわたしの中へ射精した。
そして必ず、気持ちよかったかと訊いた。
わたしがうなずくまで、しつこく訊いた。