Island Fiction第5話-7
「この女には特殊な麻酔を注射しております。この薬は感覚器官を狂わせます。あらゆる感覚が官能的刺激であると錯覚させるのです」
と黒服が解説して、クルミの乳首をギュッと強くつまむ。
「あふぅぅぅ……」
体の感覚がおかしくなっていて、苦痛が快感に変わってしまうのだ。
黒服が平手でクルミの胸をはたいた。
往復ビンタを食らわせる。
豊満な乳房が激しく歪み、揺れる。
「あっあぁぁ――っ!」
「気持ちいいだろ? もっと気持ちよくなるぞ」
黒服は恐怖を煽るようにクルミへ鞭を見せ付けた。
「いやぁ!」
鞭が振り下ろされた。
あまりの激しさに、わたしは目を背けた。
「びゃぁぁぁ――っ!」
その喘ぎようは尋常ではなかった。
痛々しいのに、喘いでいる。
喘ぎ声を上げているのに、クルミの体はピクリともしない。
唯一動かせる首を左右に振るだけだ。
再び打たれた。
鞭の痕が赤く残る。
みみず腫れになった。
クルミは強烈な刺激に声が出ない。
口を大きく開け、声にならない声を上げた。
何度も鞭が打ち付けられた。
ほのかに赤みを帯びた体に鞭が食い込み、仕舞いには裂けた。
傷口の上へ再び鞭がうなり、血が飛び散る。
「ぎゃぁっああぁぁ――っ!」
仕置きはまだまだ序の口だった。
これはただのSMショーではないのだ。
ステージに白衣の男が現れた。
サングラスをし、口ひげを蓄えた、浅黒い肌の男だった。
どう見ても医者ではない。
白衣の男は客へ一礼して、手術用のメスを手に取った。
鋭い刃が無慈悲な光を放っていた。
「え? い、いや……」
よもや、という思いと、もしかすると、という思いが交錯した複雑な表情だった。
ワレ目をかき分け、クリトリスの皮がつままれた。
そして慣れた手つきでメスが入れられた。
「ああぁぁ、あ、あっ、あぁぁぁ――っ!!」
包皮はいとも簡単に切り取られ、クリトリスが剥き出しになった。
血が流れ出て、ヴァギナのスジを伝った。
観客へ切り取られた皮が投げ込まれると、我先にと取り合いになった。
痛みはなかった。
その代わりに通常の数十倍、数百倍の快感になった。