Island Fiction第5話-6
「済まないね。みっともないところを見られてしまったな……。えーと、そうだな、君にはウエートレスでもやってもらおうかな」
ウエートレスといっても、ただの給仕であるはずがないのは容易に想像できた。
「今日は特別なイベントがあるんだ」
とササキは言った。
一瞬だけ瞳に光が宿った。
無表情でありながら、笑っているような気がした。
時間になると客が続々と来店した。
ほとんどが男一人の客だったが、いかにもな成金オヤジといかにもな愛人、青年実業家風の男と若妻、といった男女のカップルもいた。
わたしはメイド服を着させられた。
胸は丸出しだった。
スカート丈は膝より遥かに高く、歩く度にノーパンのお尻がチラチラと覗いた。
ササキに塗られた薬は、媚薬のようなものだったらしい。
わたしはオマンコを掻きむしりたい衝動に駆られ、客席が満員になる頃には歩くのもやっとなほどになっていた。
各テーブルへ酒を運ぶと、尻を触られ、胸をつかまれた。
わたしが大袈裟なほどのあえぎ声を上げる度に、客たちは下品な笑みを浮かべた。
客たちは薬をきめていた。
水たばこでコカインを吸い、店内にいかがわしい煙が立ちこめていた。
店内の照明が落ちた。
QueenのWe Will Rock You が大音量で流れ、重厚なドラム音と手拍子がショーの開始を告げる。
観客が一斉にどよめき、フレディ・マーキュリーのパワフルな歌声が期待を煽る。
スポットライトがステージに落ち、一人の女を浮かび上がらせた。
それを見てわたしは目を剥いた。
その女がクルミだったのだ。
クルミは両手両足の革の拘束具に鎖をつけられ、左右にある鉄パイプの柱へ大の字になるように固定されていた。
豊満でふわふわな乳房は相変わらずで、体を傾けただけで大きく揺れた。
「許してください……」
クルミは傍らに立つ黒服の男に懇願した。
泣きじゃくりながら、これから起こる仕打ちへの不安に脅えていた。
わたしは助けに行こうとして、でも一歩が踏み出せない。
マンコがうずいて、立っているのも辛いくらいなのだ。
「これより、お仕置きを始めます」
黒服が高らかに宣言する。
客たちのボルテージもさらに高まる。
「お願いします……。許して……」
クルミの意識ははっきりとしている。
呼吸も問題ない。
なのに、体が動かない。