EP.4 お兄ちゃんは超ボロボロ-6
「ねえ、やだよ。また馬鹿な事言って私につっこませてよ。もうあのうざい声が聞けないなんてウソでしょ、ねえ」
「ううっ・・・はあはぁ、う〜!ぐああっ、あぁあああ・・・」
典明は苦しみのあまり、ひかりが自分の相棒を可愛がってくれている事に気付かなかった。
悪化していく風邪が体を蝕み思考する力すら奪われ、快感を飲み込んでいたのだ。
「う・・・くっ、もう、やめてよ。そんな顔しないで・・・」
やけに兄の顔が見えにくいと思った時、ひかりは自分が涙を流している事に気付いた。
(どうしてこんな変態なんかに泣いてるの。泣かされてるなら分かるけど、おかしいよ)
さっさとくたばって欲しい、この世で一番嫌いな人間に何故涙を流しているのだろう。
だが今はそれよりもやらなければならない事があった。
手でしているだけでは典明の熱が下がりそうに無い。ならば、他のやり方でもっと大量に発汗させるしかないのだ。
「頼れるのは結局己の体のみ・・・この変態の口癖よね」
踏み出せる勇気を貰う為に真似をした。
もう一度深呼吸をして、履いていたスパッツを一気に脱ぎ捨て、テンメイに跨る。
手で触るのとは感触が違った。
(うっわ・・・熱っ、それに、かっちかち・・・!)
だが挿入するのではなく、割れ目を竿に当てた。
これならきっと手でやられるより気持ち良く、手でするよりは汗が出るとひかりは考えたのだ。
「ん!」
ただそこに当てただけで下半身に軽い痺れを感じた。
背中にゾクっと寒気にも似た電流が走った。
「はあ、あ・・・あんまり続けるとやばい、かも・・・」
今度は典明だけでなく、ひかりも快感を感じる事になってしまう。
もしかしたら、典明の風邪が治るよりも早くひかりの方が先に参ってしまうかもしれない。
それでももうひかりは覚悟を決めていた。
「もし途中で目を覚ましてもじっとしててよ、変態」
典明にとって、いや男にとって難しいお願いをして、竿に密着させた割れ目を擦り付ける。
典明の脇腹の横に両手をついて腰を支え、ぬめぬめした肉棒を扱いた。
(なんか、昇り棒みたい。あうっ、変な感じ・・・くぅ、や、やばいかも・・・!)
鈴口から溢れてくるカウパーで塗れた肉棒は、割れ目の滑りを良くしていた。
すぐ上の突起もそこに触れて擦れていくうちに、ひかりの下半身の痺れが大きくなっていく。
快楽に耐えながら典明が正気に戻るのを待っていたが、未だに目線はどこか遠くを見ていた。
願いとは裏腹にいつまで経っても自分を見てくれない。