Island Fiction第4話-7
上空を鳥が飛んでいた。
トンビだろうか、タカだろうか。
近くの木には無数のカラスが集っている。
わたしが屍肉になるのを狙っているのだ。
わたしの傍らにクルミがいた。
クルミも廃人と化していた。
意識がもうろうとしながら、自分が垂れ流した糞尿に貪りついていた。
噛む力も働かず、ウンコが口からだらし無くボトボトとこぼれていた。
わたしは食事よりも飲み物よりもペニスが欲しかった。
熱く脈打つ肉棒だけがわたしの乾いた体を潤してくれるのだ。
「チンポ、チンポ、チンポ」
わたしは呪文のように呟きながら男を捜して彷徨った。
どういうわけか、あんなにいた男たちの姿が見当たらない。
「人がいるぞ!」
怒声と共に、数人の男たちが広場へ雪崩れ込んだ。
全員ヘルメットと防弾服を装備し、サブマシンガンをかまえていた。
男たちは訓練された無駄のない動きでその場を制圧した。
わたしはチンポを求めて這った。
「大丈夫ですか?」
ヘルメットと防弾服の男が訊いた。
わたしは大丈夫。
いつでもチンポを喜ばせられる。
たっぷりとザーメンを搾り取ってあげられる。
マンコだって、チンポを早く咥えたくてヒクヒクいってるよ。
ヘルメットと防弾服の男に抱きしめられた。
わたしは肌に触れられただけで絶頂を迎えた。
腰をグラインドさせ、あああぁぁぁ――っ! と奇声を上げてイッた。
「だいじょうぶですか! しっかりしてください!」
ヘルメットと防弾服の男の声が、かすかに耳のそばで鳴っていた。
5話へ続く