第五話 和真最大の危機!? 前編-1
「いやぁ〜いい天気だなぁ〜!」
朝からご機嫌の和真は現在登校中である。
「ちょっとずつだけど友達も出来て、俺に関する誤解(見た目で不良だと思われる事)も解けてきてるし、時羽からは『和真くん』なんて呼ばれちゃうし、最近はいいこと尽くしだなぁ!」
とてつもなくご機嫌な和真は、最大の落とし穴がこの後に待っていることを、まだ知らない・・・。
和真が通学路を進んでいくと、見慣れた銀髪が目に入った。
「お、あれは・・・お〜い、時羽〜!」
毎朝とは言わないが、かなりの頻度で通学中に遭遇する『時羽 紅』である。
「あら、おはよう和真君。」
「おはよう、時羽!」
朝から時羽に会えるなんて、今日は更にいい日になりそうだなぁ〜、とかなんとか和真が考えていると、いつの間にやら三輪も参加していた。
「おっす、武藤、時羽。」
「おはよう、三輪君」
「おう、三輪」
これでようやくいつもの3人が揃ったところで、不意にこんな話題が出てきた。
「そういえば、そろそろ中間試験ね。2人とも勉強は進んでる?」
「いやぁ〜苦手な国語をどうすっかな〜って考えてるとこなんだよな〜。武藤は?」
そこで時羽と三輪が武藤を見ると・・・。
「・・・・・。」
めちゃくちゃ沈んでいた・・・。
「ま、まさかお前勉強してないんじゃ・・・!?」
戦慄する三輪。
「そ、それは流石に・・・。」
リアクションに困る時羽。
「待てーい!?いくら俺でもそんなベタな展開はねーよ!?」
・・・どうやらテストの存在を忘れていたわけではないと反論する和真に「なら、どうしてそんなに落ち込んでいるのか」を聞かねばならないだろう。
「それが・・・。」