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チョコレート・デイズ‐りくとリナ
【学園物 官能小説】

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チョコレート・デイズ‐りくとリナ‐ 6-4

その日の夜はリナの生還祝いのパーティーとなった。
会費は変態男からりくがふんだくったお金が充分にあった。
場所はいつものカラオケボックス。
リナ、りく、バニラ、ヨワ雄そしてリナの母親まで参加していた。
「男が弱えぇよ!なんでヨワ雄だけなんだよ!」
リナはすっかり普段のリナに戻っていた。
「んな事言ってると!また変態男に拉致られるよ!」
そう突っ込んだのはりくではなく…リナの母親であった。
そのリナの母親…リナのなんちゃって制服を着てかなりご満悦の様子だった。
もう一人のコスプレ担当のバニラは今日もトナカイの着ぐるみを着てニコニコと『コアラ○マーチ』キャラメルオレ味を頬張っていた。
どうやら両方とも相当気に入った様であった。
「このりく様を見くびるなよ!リナ!」
不平タラタラのリナにりくはニカッと笑って見せた。
次の瞬間…。
カラオケボックスのドアが開いた。
「遅くなってワリィ」
ゆーじが爽やかな微笑みと共に入って来た。
「ゆーじ!来てくれたんだ!…りく退け」
両目をハートマークにしたリナが隣に座ったりくを追いやろうとする。
「全然へーきだよ!ゆーじ!…おまえこそ退け」
やはり同じ目をしたりくがリナを押し返す。
バニラに至っては今日は『コアラのマーチ』しか目に入らないのか、二人の争いには参加せずに夢中で食べ続けている。
普段はあまりお菓子を口にしないバニラだが一旦ハマるとそのハマり方は凄まじく…それしか目に入らなくなる所があった。
リナとりくが押し合いへし合いしているうちにゆーじは極自然にバニラとリナの母親の間に座った。
「「なぁに!!」」
唖然とする二人を他所に。
「バニラ…何食ってんの?」
ゆーじがニコやかにバニラに聞いた。
ところが…。
バニラは『コアラのマ○チ』をサッと隠すと自分の餌を守る野生動物の目でゆーじを睨みつけた。
苦笑い浮かべるゆーじ…そしてリナの母親に気づいた。
「あの〜はじめまして…ですよねぇ?」
リナの母親と初対面のゆーじが首を傾げる。
確かに不思議な存在だった…どう見ても三十代だがやたらとエロ可愛いおばさんがなんちゃって制服を着てみんなに馴染んでいる。
ゆーじが首を傾げるのも無理はなかった。
「その人…リナのかーちゃん」
りくが嬉しそうに言った…ゆーじ争奪戦、リナも母親の前でガツガツ来れまい。
そんな思いからだった。
「どうもね…ゆーじクン?リナから聞いてるわよ!ホントそっくりね」
ただ…リナの母親の可愛過ぎる挨拶。
ゆーじも心なしかデレデレしている。
「あの〜りくさん…僕のご褒美は?」
ひとり丸椅子に座ったヨワ雄がりくにオドオドと話しかける。
「うっせなぁ…バニラに貰えよ」
けんもホロロなりく…そして当のバニラはその会話に気づいてもいない。
「ねぇ!ゆーじ何飲む?」
「ゆーじカラオケ歌おう!」
二人のゆーじを巡る争いは激化してゆく。
「おまえ…主役に譲る気持ちはないのか!」
「ままえこそ世話になりましった…って譲れよ!」
二人はいつもの様に子猫のじゃれ合いになった。
「「ん!?」」
二人同時にゆーじがいない事に気がついた。
「バニラ…ゆーじは?」
リナがバニラに尋ねる。
「あ!おばさんと出て行ったっす」
今日のバニラは『コアラ○マーチ』オンリーだった。
「「なあに〜」」
意外過ぎるところにゆーじを掻っ攫われた二人。
まさに開いた口が塞がらないといった感じである。
「バニラ!それよこせ!」
リナの手が『コアラのマ○チ』に伸びた。
完全なまで八つ当たりだ。
ところが…。
「やっすよぉぉぉ!」
バニラはピュュュュっと逃げて行ってしまった。
「あぁ!バニラさぁ〜ん!」
それを追ってヨワ雄も出て行ってしまった。
残されたリナとりく…。
呆然と見詰め合っている。
「「ブ!ブハハハハハ!」」
二人はどちらからでもなく腹を抱えて大笑いを始めていた。


つづく


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