Island Fiction第3話-6
「どうした?」
お父様が催促なさる。
「ごめんなさい」
お父様を拒むわけにはいかない。
わたしは覚悟を決めて、お父様のペニスにご挨拶のキスをした。
「ああうぅぅん……、ああぁぁ……」
わたしは後ろから貫かれた。
熱い肉棒が膣の中を押し広げた。
「お腹いっぱい……」
奥の感じるところを突かれて真っ白になった。
「いやぁぁぁん、イッちゃうぅぅぅ」
クルミも絶頂を迎えようとしていた。
子宮を突けば感じ、感じれば腰が動かなくなる。
クルミは感じすぎて力が入らなくなりながら、でも快感を求めた。
相反する気持ちに打ち勝とうと必死に腰を振った。
「お父様のオチンチン、気持ちよすぎるぅぅ」
わたしはお父様の激しい攻めで四つん這いになっていることも出来なくなって、うつぶせに倒れた。
理性を失いかけ、それでもオマンコへ意識を集中することが出来なかった。
わたしは後ろからの視線を感じていた。
それがアザレアのものであるのは分かっていたけれども、振り返ることが出来なかった。
きっと恐怖だったのだろう。
わたしは幼すぎて、世間知らずで、無知だった。
嫉妬という感情が存在することを知らなかった。
その日の夜、庭の端で医師のササキが何やら作業をしていた。
傍らで森脇が大の字になって寝ていた。
必要のなくなったオモチャは捨てられる運命にある。
森脇の内ももの大動脈からチューブが伸びていた。
真っ赤な血が鼓動とリンクして先から流れ出ていた。
血を抜いているのだろう。
この時点で森脇は、薬で眠らされているだけで生きていたのだ。
死体を解体するには死後硬直が始まる前がいいらしい。
死後二時間から三時間がリミットだ。
ササキはセオリー通り、森脇が新鮮なうちにノコギリの歯を立てた。
医者がノコギリを引く様は日曜大工をしているようで、どこか可笑しかった。
何ともずさんな処理の仕方だけれども、咎める者はいない。
裏を返せば、有名人が一人いなくなっても、うやむやにしてしまえるほどの力がお父様にはあるという証拠でもある。
細かく切り刻んで魚のエサにすれば、色男は二度と浮かび上がることはないだろう。
不意にササキが頭を上げ、視線をわたしへ向けた。
目が合った。
光のない瞳に捉えられた。
そんな気がした。
言い得ぬ恐怖がわたしの背中を伝った。
4話へつづく