Island Fiction第3話-5
「ちょ、ちょっと待て!」
問答無用で電極を差し込んだ。
意外にすんなりと挿入された。
女たらしでも、さすがにアナルの経験はないようだった。
「これでいいの?」
「スイッチを入れてごらん」
アザレアがサディストの笑みを浮かべて機械のスイッチを入れた。
「うわぁぁぁ――っ!」
男は仰け反り、体をこわばらせた。
風船をふくらませるかのように、あっという間に海綿体が膨張して息を吹き返した。
「すごいね!」
「待ってくれ! 入れる前にイッちまいそうだ!」
クルミは鼻唄交りに男へまたがった。
「おぉぉぉ大きいぃぃぃ……。お腹いっぱいぃぃぃ」
「ダメだ! 動いたら、ヤバイ!」
アザレアの時も感じたことなのだけれど、クルミには使用人たちのセックスのような秘密めいた怪しさは感じられない。
アダルトビデオの女優たちのような淫靡さもない。
いつものバイブが肉棒に変わっただけだからなのだろうか。
お父様のような熱さやわたしの心へ訴えるものが、森脇にはなかったからなのかもしれない。
お父様にあって、森脇にないもの。
それが愛だったのだろう。
もちろん、この時のわたしにはそのことに気づくはずはなかった。
「うはぁぁぁ――っ!」
突如、電気がわたしの脊髄を伝って脳天を突き抜けた。
まさに衝撃だった。
アザレアがわたしの股間へ潜り込み、クリトリスを舐めていた。
舌の付け根の方を押しつけ、舌全体を使って、クリトリスに唾液をすり込むような感覚でこねくり回す。
「あぁぁぁ、うぅぅん……。すごい……」
彼女の舌使いは絶妙だった。
わたしはトップスピードで絶頂へ駆け上がっていった。
足がガクガクと振るえて、膝で立っているのも辛かった。
「え?」
わたしの股の間でアザレアが目を剥いた。
お父様のそそり立つペニスが、わたしの目の前に差し出されたからだ。
お父様はわたしたちのセックスに当てられて催されたようだった。
嬉しくないはずがない。
嬉しいに決まっている。
でもアザレアやクルミを差し置いて、お父様を頂戴するのは戸惑いがあった。
スミレ姉様がいなくなってからは、何でも三人で仲良く分けるというのが決まりなのだ。
三人のバランス関係を崩す勇気はなかった。