チョコレート・デイズ‐りくとリナ‐ 5-3
「りく…聞いてくれよ」
学校に着くなりりくを見つけたリナは昨日の事を愚痴りだした。
りくは『コアラのマ○チ』キャラメルオレ味をポイポイと口の中に放り込みながらリナの話を聞いていた。
「ふ〜ん…このオナニー女」
ニタニタと笑うりくの第一声…りくらしいと言えばりくらしかった。
「ふざけんな!おめぇよ!」
リナはムキになってりくに噛み付くとりくの手から『コアラ○マーチ』を取り上げた。
「あ!返せ!こら!」
取り返そうとするりく。
「おまえが悪い事言うから!没収!」
リナはそう言うと『コアラのマ○チ』の箱を口の上で傾け…こぼれ落ちた中身をバリバリと食べている。
「あぁ!ダメ!リナ!」
りくも結構本気になっている。
「なにコレ!ちょ〜旨いんだけど!」
食べカスを口の周りにつけたリナが目を見開いた。
「だべ!…ってか返せよコラ!」
『コア○のマーチ』の箱を巡って揉み合う二人。
「返せ!返さないとこうだぞ!」
リナのスカートを捲くり上げるりく。
リナの黒地にピンクのドット柄のパンティが丸出しになる。
「やめろ!乳女!」
リナがりくの巨乳をグニュグニュと揉む。
割といつも事なので周りの人間は気にしない…と言うか男子なんかは明らかにニヤニヤと二人の争いを歓迎している。
結局二人は制服を乱しながら『コアラ○マーチ』の取り合いに五分近い時間を費やしていた。
そして『コアラのマー○』は残り五、六コアラになりりくがやっと奪還。
後でバニラに新しい物を買わせるからとのリナの言葉でようやく手打ちになった。
「へっ…くちん!!…風邪ひいたカナ?」
そこ頃…バニラは自分の教室でクシャミをしていた。
「で?誰か心当りあんの?」
りくはようやく本題に入った。
「んな…変態知って訳ないじゃん!」
リナが唇を尖らす。
「だよな…」
考え込むりく…確かにリナの変態嫌いはかなりの物であった。
成り行き上、股を開く事はあっても心は絶対に開かないリナであった。
それ比べてりくの方が変態には遥かに寛容だった。
ヨワ雄の件もある。
「まぁ…いいや…ちょっとヨワ雄にでも聞いといてくれよ…あいつも変態なら何かしってっかも」
リナはりくに昨日の電話番号をメモッた紙を渡した。
放課後…りくとバニラ三つ巴の第二次『コアラのマ○チ』戦争を戦い終えたリナ。
昨日の様に夕方遅くに家に帰ってきた。
「あんたに封筒が届いてるわよ」
必要以上に黒い肌に茶色い髪…ド派手な豹柄ファッション。
どこからどう見てもリナの母親らしい女性がリナに封筒を手渡した。
「サンキュウ!」
割と親子の中はいいのかリナはニッコリ笑ってその封筒を受け取った。
「ヤバいクスリとかじゃないでしょうね」
この辺は母親らしい口煩さだ。
「んなもん…やってねえって!」
口は悪いがリナもしっかり返答は返している。
「遊んでもいいけど!自分の身体を傷つける様な事はすんじゃないよ!」
この母親の言葉…これなら親子の間が悪くないのも頷ける話だった。
「わかってる!わかってる!そんでいつかは玉の輿だろ!」
リナは笑いながら母親の口癖を真似た。
「おおよ…」
母親もリナに似た可愛らしい顔でニッコリと微笑む。
その微笑みを背中に受けながらリナは自分の部屋に入っていった。