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襖の向こう
【父娘相姦 官能小説】

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小夜の憂鬱-1

「やっぱそうだ。ねえねえどんな人なの、見せて」

みゆきが小夜から携帯を奪い、画像を凝視する。
勇志が歯を見せて笑っているのを見ていきなり噴き出したので、小夜は携帯を奪い返した。

「ひょろいじゃん、なんかもやしみたい」
「うるさい・・・」
「あー、これじゃ隠したくなるのも分かるかなぁ。小夜よりひょろいし、頼りなさそう」
「もう、言うんじゃなかった」
「おめでとう、小夜にも彼氏が出来たんだ。ねえねえどこで会ったの?」

打ち明けるのは覚悟していたが、思ったより友達は怒ってはいなかった。
しかし、勇志への辛辣な言葉を聞いて、やっぱり怒ってるんだと小夜は肩をすくめる。

(みゆきには言えた。あとは・・・でも・・・)

鼓動は治まる気配が無く、つい先程秘密を口にする寸前のまま、緊張がピークに高まった状態で早打ちを続けている。

多少は楽になったものの、まるで心臓が耳の近くにあるかの如く煩かった。

結局友達と何を話したのか記憶に残らず、気が付けばもう家の前に立っていた。

(帰るしかない・・・か)


怜が帰ってきたのは、小夜が帰って一時間程過ぎてからだった。

「お姉ちゃんただいま」

台所に立つ小夜は怜に返事もせず、制服のまま包丁を振るっている。
俎板を規則的に叩く音がやけに無機質に聞こえた。
以前はお帰りの挨拶と多少の会話くらいはあったものの、ここ最近は反応すら無い。

「今日も寒いねぇ〜。見てほら、鼻の頭が真っ赤だよ、学校でも寒がりの犬みたいなんて言われてさぁ」

それを気にせず話し掛けるが、小夜は無言で魚を焼いている。
味見もせず味噌汁の鍋に切り下ろした大根を入れて掻き混ぜ、しばらくして火を止めた。
焼けた魚を皿に移し終わると、鞄を持って逃げる様に台所から去っていった。

「・・・・・・」

いつもなら小夜が居なくなれば摘み食いのチャンスとばかりに胸踊るはずだった。
しかし、何となく一人になるのが嫌で、その場に立ち尽くしてしまう。

(こういうの嫌だな。喧嘩した後みたい。でも、ちょっと長過ぎる。もう1週間くらいずっと・・・)


やっぱり、口にしちゃったのがまずかったかな、と怜は後悔していた。

(・・・お父さんとこ、いこ)

いま味わった出来事を忘れてしまおうと、仕事場の襖を開ける。



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