新しい始まり-2
「じゃぁ次は出席番号十番。桐生実沙希」
「はぃ・・・」
名前を呼ばれてゆっくりと立ち上がる。
すらりとした体に細めに作られたブレザーが良く似合っている。
緊張した面持ちで視線を泳がせながら小さな声で挨拶をした。
自己紹介が終わって少しほっとした顔で席に座ると僕を見てはにかんだ。
楽しい学校生活が送れそうだ。
長い一日が終わり、化学実験室に戻ると扉の前で実沙希が待っていた。
講師室の鍵を閉め実沙希を強く抱きしめると、実沙希も僕の腰に回した腕にぎゅっと力を入れて応えてくれる。
「本当にびっくりしました」
「驚いた顔も可愛かったよ」
優しく顔を撫でて首筋を唇でなぞると実沙希は甘い吐息を漏らす。
そのまま唇に移動して優しく口付ける。
「制服姿の実沙希をよく見せて」
僕は椅子に腰掛けて少し遠くから男の子の実沙希を眺めた。
今まで可愛らしい女の子の姿しか見たことがないのでとても新鮮に写る。
実沙希は恥ずかしそうに手を後ろに組んでもじもじと立っている。
このまま自分は男だということを思い知らしめながら犯してやりたいという衝動に駆られて必死に堪えた。
あくまでここは学校だ。
いつどこに誰がいるかわからない。
学校で何かするときは慎重にしなくては。
実沙希に次の休みは制服で僕の家に来るように伝えると、もうすでに実沙希はいろいろと想像してしまっているのか目を潤ませて上ずった声で返事をした。