父と妹の想い-7
「コーヒー淹れるよ。あったかいの」
勇志がそう言っても、小夜は結んだ腕を離さず、首を横に振るだけだった。
行っちゃやだ、と消えそうな声で呟くだけで、片時も離れようとしない。
小夜の身に何が起きたのか、本人が口に出さないので分からなかった。
それでも、自分を頼りにしてくれている事は堪らなく嬉しかったのだった。
(俺が出来るのは、小夜が落ち着くまでこうしててやる事くらいかな)
笑った顔、怒った顔、泣いた顔、今まで小夜の色んな姿を見てきた。
初めて見る、言葉も喋れない程弱った姿に、勇志は自分の腕を離すまいと決意する。
「ベッド、行きたい」
部屋が温まってきた頃、小夜が呟いた。
相変わらず消えそうな声ではあったが、先程よりは聞き取りやすくなったかもしれない。
勇志は小夜を支えながらベッドに歩み寄り、自分より先に腰を下ろさせた。
「うっ、んん?!」
すると、いきなり唇を奪われてしまった。家に入る前にされた時よりも強く、舌が唇に絡み付いてくる。
流石に危険を感じ力ずくで小夜を引き剥がした。
「やめろ、さっきからおかしいぞ。小夜、何があった?」
「私と・・・て・・・」
「えっ?何て言ったんだ、もう一回言ってくれ」
「お願い、私と・・・して・・・っ」
勇志に体を弾かれても小夜の動きは止まらず、次は自ら脱ぎ始めた。
マフラーを外しブレザーを脱ぎ捨て、スカートを外してブラウスを引きちぎる様に強く体から剥がしていく。
妙に仕草が早く、まるで何かに怯えている様に見える。
少なくとも勇志には、本気で小夜が体を求めている様には見えなかった。
「勇志ぃ・・・」
頭ではしちゃいけないと思いながら、小夜の柔らかい肌が直に押しつけられ、股間ははち切れそうになっている。
至近距離で見つめる小夜は狂いそうな程美しかった。
「あはぁっん!!」
たまらず小振りな胸を鷲掴みにし、力ずくで揉みあげる。
可愛らしい暖色の乳首を親指でクリクリと刺激すると、小夜が顎を突き出して仰け反った。
勇志の頭の頂上が沸き上がり、沸々と血液が昇っていく。
今にも噴火しそうな感情を何とか理性の薄い膜で制御しているが、最早時間の問題だろう。
「私、勇志になら・・・何されてもいいよ」
愛する人の言葉が引き金となり、膜は一瞬で全て消え去った。
小夜への心配が醜い欲望へと変換されていく。
「あぅうっ!!ひっ、あ!あっ、あん!!」
乳首を摘まれ、弾かれ、爪を押し込まれ、執拗な責めに全身の毛が逆立っていく小夜。
勇志の指に刺激される度に鈍い電気が走り、体の至るところをちくちく抉ってくる。