兄妹ペッティング-8
しばらくはそのままの姿勢でいた。しかし、やがて体勢を入れ替える。
「真知…交代だ」
そう言ったが、仰向けになった妹の顔を上からじっと見詰めるだけで、私は動かなかった。
「…お兄ちゃん。…ハグするの?」
様子が違うのに気がついた妹が戸惑ったように訊く。言葉もいつもの「ハグして…」ではなかった。
私の性器はあれほどの射精をした後でもまだ怒張を続けている。
私は無言で妹の両手を引き上げた。それを畳の上で交差させ自分の左手で押さえる。そして、右手は真知子の乳房を掴んだ。揉み上げる。
「…あ、あれ?…うっ、うぅっ、お兄ちゃん。…どうしたの?…お兄ちゃん、お兄ちゃん」
もう止まらなかった。抑えてきた感情が爆発したのだ。
明日から真知子は自分のそばからいなくなる。
…一度でいい、一度でいいから妹としたい。自分の性器を真知子の中に挿入したい。
セーターを捲り上げる。ブラジャーも上にずらし、両手で直に乳房を触る。柔らかな胸だった。
「お兄ちゃん、だめ…だめだよ。…ね、やめよ。やめようよ」
妹は抵抗した。
…出したい、妹の膣内に精液を吐き出したい。兄である自分の痕跡を残すのだ。
私は妹のGパンに手をかけた。ボタンをはずしてジッパーを降ろす。
「だ…だめ。…いや!…いやよ。お兄ちゃん。やめて!やめて!」
妹が暴れるのでなかなか脱がせることができない。
上半身を押さえ込みながらパンティの中に手を滑り込ませた。そこはぐっしょりと濡れている。
「お兄ちゃん。だめ…だめなの。私、お兄ちゃん、好き!…大好き!…でも、許して。許してよ」
妹は泣き出した。
…それ以上はできない。
「真知、悪かった。…ごめんな」
妹をいったん抱き締めてから離し、部屋から出た。
…こうして、妹と男女の一線を越えることはかろうじて未遂に終わったのだ。
「…私、なんであのときお兄ぃにだめって言ったのかなぁ…」
妹の独白じみた言葉が続く。
居酒屋に残っている客はもうそんなに多くはない。
「でも、それって当り前だもん。…だって、結婚式の前の日なんだよ。女の子にとって一番大事な日だよ」
私は、妹の自問自答を黙って聞いている。
「…ごめんね、お兄ぃ。…私、お兄ぃだって大事なのにね」
真知子は何が言いたいんだろう…。
しかし、もうこの時点で確信が生まれた。絶対に今夜はふたりの特別な日になる。