Island Fiction第1話 -3
「お父様、パイズリって、気持ちいいんですか?」
わたしは毎朝、修道女が祈りを捧げるようにお父様のペニスを口に含んであいさつをする。
誰にも譲れない日課だった。
お父様のそそり立つペニスは六十に手が届く年齢とは思えないくらい若々しい。
まだ幼いわたしには大きすぎて、いつも苦しくなってむせてしまうのだ。
それでも、お父様はそんな未熟なわたしの頭を撫でてくださった。
「そんなこと誰に聞いた?」
わたしの唐突な質問に、お父様は驚いたようにお訊きになった。
「それは……」
「アザレアか……。どこでそういう情報を仕入れるんだか……。あとで叱っておかなきゃいけないな」
「違うの。わたしが無理に訊いたの。お父様がもっと気持ちよくなって頂くにはどうすればいいかって……」
「カスミがそんなこと気にする必要ないんだよ」
「でも……」
「物事には順序というものがあるんだ」
他の娘たちの豊満な胸と大きく張り出した腰と淫猥な陰毛に嫉妬し、遣る方無い気持ちで一杯になった。
わたしは他の娘たちと比べて成長が遅れていた。
胸のふくらみはないに等しかったし、腰の辺りも凹凸がない。
股間のスジも生まれた頃の姿と変わりがなかった。
お父様はネグリジェの上から、わたしの薄っぺらな胸をさすってくださった。
「こうしていれば、そのうちに大きくなる」
そして乳首をおつまみになった。
「うぅぅん……」
「くすぐったいかい?」
「いいえ。何だか、変な気分……」
ネグリジェが脱がされた。
わたしは下着を一切身につけない。
幼児体型の恥ずかしい裸体が露わになった。
お父様の舌が乳輪の外側から円を描くように胸の上を這い、徐々に包囲を狭める。
一人前に勃起した乳首が唇にそっと包まれた。
湿った感触が先端をくすぐる。
「あっ、はぁぁぁ……はぁぁぁ……すごく、切ないです」
わたしはお父様の股間へ手をやった。
熱く硬い肉棒はわたしに安らぎを与えてくださる。
ノックがあった。
お父様の着替えを持ったメイドと共にローズが入って来た。
ローズはアメリカ人だ。
屋敷では数少ない大人の女だった。
彼女はお父様の秘書を務めている。
情報遮断どころかメディアという概念すら存在しないこの屋敷にあって、唯一外部との接触を許されている存在だった。