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沙恵の休日
【OL/お姉さん 官能小説】

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沙恵の休日-1

ある日の休日…。
守木沙恵は自分のマンション近くのホームセンターに出かけていた。
一週に一度…クルマで出掛けて、およそ一週間分の食材等を買い込む。
女の独り暮らしだし怜を自分のマンションに招くつもりのない沙恵。
買い物の質も量もたかが知れていた。
それでも誰か荷物を持ってくれる人がいたら…と思ってしまう。
だが…それは怜では無かった。
怜とはもう何度も肉体の関係を結んでいるが…。
恋人と言うのとは程遠い。
また怜とそういう関係にある以上は他の男性に身体も心も許すつもりはなかった。
まぁここ数年は怜の魅力を上回る男性には出逢っていないの事実だが。
“このままじゃ…生涯独身決定ね…”
ステアリングを握った沙恵が自嘲的な笑みを浮かべる。
何処か寂しげな笑みだった。
次の瞬間。
「危ない!!」
甲高い声を上げた沙恵が急ブレーキを踏んだ。
急停車する沙恵のクルマの前に一人の男が飛び出してきた。
「ちょっと!危ないじゃない!」
窓から顔を出して沙恵が怒鳴った。
当然の事だろう…もう少しでハネるところであった。
「す…すいません…」
ニット帽を目深に被り薄いサングラスをしている。
若い男の様だがかなり慌てている。
「ご…ごめんなさい!」
そう言った男が沙恵のクルマに乗り込んできた。
「ちょっと!なに!」
いきなり見ず知らずの男にクルマに乗り込まれた沙恵も取り乱さないはずがなかった。
「追われてるんです!お願いします!」
サングラスを外し真剣な眼差しを沙恵に向ける若い男。
確かに数人の男がバラバラと沙恵のクルマ目がけて走ってくる。
安全なところまで行けば、この若い男は降りるかも…。
ちょっと危険であったが沙恵は賭けにでた。
アクセルを踏み込む。
急停車したばかりの沙恵のクルマ…今度は急発進した。

走り出したところで沙恵の全身がガクガクと震えてきた。
自分はトンでもない間違いをしたのではないか…そんな気がしてくる。
「すいません…ご迷惑かけて…」
沙恵の様子を察知した若い男がすまなそうに言った。
悪い男?ではない様だ。
「な…何で…追われてるの?」
それでも恐る恐るといった感じで沙恵が尋ねた。
「い…いや…」
若い男は黙り込んでしまう。
「で…でも犯罪者とかじゃ!ないです!」
真剣な声が聞こえてきて…少し沙恵の気持ちも落ち着いてきた。
「でも…ん?」
チラと若い男の方を見た沙恵。
その横顔にハッとした。
「あなた…海老原勇人!?…くん?」
海老原勇人と呼ばれた若者は小さく頷いた。

海老原勇人…武骨な男らしさが人気の若手の俳優だった。
売り出し中の俳優としては人気が高い方でドラマや映画で主役もするし…TVに出ていない日はなかった。
「なに?なに?ドッキリ?」
そんな人気俳優にクルマに乗り込まれてきたのだ。
新たなパニックが沙恵を襲っていた。
「い…いや…」
勇人は済まそうに押し黙る。
何かのトラブルに巻き込まれている様子であった。
相手が海老原勇人となれば…沙恵も女だ。
すでに出来るだけの手助けをするつもりになっていた。


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