彩りの荒野-4
私はどうしても、初めて抱いた若い体にかつて妻を愛したような真似ができなかった。
尻の穴を舐めたり、指を二本挿入してクリトリスを刺激しながら掻き回したりなど…
妻を悦ばせようと一心に繰り出した淫隈な行為の数々…
そんな事を若い麻美の体にはできなかったのだ。
淡白すぎるセックスだったかも知れない。
それで膣の十分なぬめりだけを確かめると備えつけのコンドームを装着して彼女の体に侵入した。
気だてのいい娘である事と若くて盛んな事もあって処女だとは思っていなかったものの、それを思わせるほどの締まりを感じる。
私のものも、多少の衰えは認めてもまだまだ使えるはずだ。
いや、なんとしても今だけは立派に努めたい。
揺れに合わせて声を漏らし始めた彼女が体を反らして切ない一声と共に震えるまで何とかもってくれた私もそれを認めるとようやく射精した。
よくもってくれたものだ。
二度目はおそらく使えまい。
そうして私は麻美と体の関係を続ける事になった。
妻もそろそろ気がついている。
甘い夢はどちらに転んでも厳しい現実と隣合わせにあるものなのだ。
だが、実直で平穏な私の人生にも人並みにそんな彩りがあってもいいんじゃないだろうか。
たとえば身を削る恋のような…
私はその夢と現実のように今も妻と彼女の両方を愛している。