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悔し涙が身に染みる……。
【レイプ 官能小説】

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悔し涙が身に染みる……。-4

「終了〜」
 ようやく終了を迎えた二人。悠馬は佐奈をひょいっとおろすも、その股間はやはりこんもりと丘を作っており、佐奈もそれを意識しているのか、顔を背けている。
 ……ように見えて、ちらちらとそれを見ているのがわかる。不幸中の幸いなのか、未だ栄治は机に突っ伏して愚痴を零している。
「ね、達郎君、もう時間だし……」
 志保は胸を触られた混乱を振りほどき、時計を送らせて彼に見せる。
「え? ああ、もうこんな時間? うん、そうだね。延滞できるほど予算ないし……。それじゃあ名残惜しいと思いますが、ここいらで飲み会はお開きとします。皆、さっさと外でて!」
 皆の悲喜こもごも織り交ぜられた声を無視し、達郎は一人勘定を持ってレジへと向かう。
 その後姿に志保はほっと一息着いていたわけだが、幸一はというとようやく飲み干せたジョッキをテーブルに置き、きょろきょろと周りを見ていた……。

**――**

 外へ出た達郎の姿が見えない。
 会計は済ませてあるので皆も外へ出ると、ようやく彼が姿を現す。
「それじゃあ二次会にいきましょう! 続いてカラオケになりまーす!」
 手際の良い彼を苦々しく思ったのは、なにも志保だけではないだろう。
 それでも乗り気な面々が居る中で不参加を表明して雰囲気を壊してしまうようなことは避けたい。
 お互いがお互いを縛る、不自由なサークルなのかもしれない……。

**――**

 連れ立つメンバーは幹事の達郎、志保、和志、幸一、佐奈、悠馬に宏美と栄治、忍に奈々子の十人。
 向かう「サウンドジョイ」は大人数が入れるパーティルーム完備の店。
 フリータイム千円ぽっきりのリーズナブルな店だが、今日は繁盛日とあって、三時間までしか保障できないと念を押された。
 個々の帰宅方法は確認していないが、終電逃し組は近くの一人暮らしのアパートに上がりこんで雑魚寝というのが毎回のパターン。
 今回は幸一が宿を提供する側となり、ビールで朦朧とした彼はいわれるままに頷いていた。
「みんな、飲み物は? ミルクティーの人?」
 幹事の達郎が声を内線片手に問うと、四本ほど手が上がり、次いで「ウーロン茶」、「アイスコーヒー」などと続く。
「ミルクティー四つ、ウーロン茶三つにアイスコーヒー三つ、お願いします! それから軽く摘めるもの……、ポテチ詰め合わせをお願いします」
 注文を終えた達郎は翻って女子の一人にマイクを向ける。
「それじゃ俺が一曲披露しますぜい!」
 彼は曲目一覧も見ずに番号を直接打ち込むと、イントロに身をゆだねて唄いだす。空焚きのテンションはまばらな拍手もものともせずに……。

**――**

 唄い始めて一時間。面子が十人ということもあり、待ち時間のほうが長く、一巡する前にはだれ始めていた。
「もう〜、つまないよ!」
 それに根を上げたのは忍。名前をまったく体言しない彼女は、こそこそと機器をいじりだす。すると画面に採点機能オンと表示される。
「追加ルール! 今から採点しま〜す」
「お〜」
 採点機能に沸くほどカラオケ初心者もおらず、やはりまばらな拍手が起こるのみ。
「そんで〜、一位の人から下位の人に命令できますゲーム! 点数の消費税分だけ命令できるよ〜!」
「なぬ!」
 その言葉に皆真顔になる。
「ちょっと、そんなのもうやめましょうよ……」
 まだ冷静なところのある志保はその無茶な提案を拒む。
「おもしろそうですね。いいじゃないですか」
 しかし、背後からはゲームに賛同する声が聞こえだす。
「よっしゃ! 俺本気だすって! そしたらイヒヒ……」
 いやらしい笑いを浮かべる和志は隣に座る宏美の肩を抱きよせる。
「あら、私、カラオケは結構得意なんですよ?」
 まだ酔いが残っているらしく、宏美はやる気満々。
「ねぇ、どうする?」
 心細そうに彼氏の顔色を伺う佐奈に、栄治は無言のままマイクを取る。
「それじゃ一番、下倉栄治、歌います!」
 彼は直立すると、画面も見ずに唄い始めた……が?


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