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襖の向こう
【父娘相姦 官能小説】

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其の温もり-1

テレビの天気予報は、来週から本格的に冬が訪れると告げている。
庭に生えた木はすっかり葉を落としきり、春まで長い眠りにつこうとしていた。
夜にはつい最近まで茂みの中から虫の鳴き声が聞こえていたが、木よりも先に冬眠に入ってしまった。

食卓には小夜と怜しかいない。
銀太郎は朝からずっと仕事場に缶詰め状態で、ほぼ休み無しで描き続けていた。
アシスタントを雇える余裕が無いため、一人で漫画を描きあげなくてはならなかったからだ。


「明日私いないから、家のこと頼んだわよ」
「えっ?いないの?なんか予定が出来たんだ」

怜が食事しながらも携帯に釘付けだった目線を小夜に向けた。

「・・・遊ぶの、友達と」
「へええ、友達と、ね」

目元を訝しげに細めじっとりと小夜を凝視してくる。
まるで、友達という言葉が建前であるのを見透かしているみたいだった。
小夜はその視線を不快に感じ即座に目を逸らした。
姉の反応に怜はぴくりと片方の眉を上げる。

「何して遊ぶの」
「映画観に行くの。何観るか教えてくれなかったけど。楽しみにしといてって」
「そのあとはどこ行くの。彼氏の家?」
「だから、友達!あんたこないだからしつこいわよ!」

いくら指摘の通りしつこいとはいえ、小夜に怒られたので怜はそれ以上追求するのを止めた。

姉妹なので昔から互いに言いたい事は隠したりせず直接相手に言ってきた。
怜は昔はよくそれで小夜を怒らせて言い合いになっていたが、自分よりも気の強い小夜にはいつも勝てず、結局は自分が泣くはめになる。

そして二人揃って、喧嘩をするなと銀太郎に怒られるのが決まりだった。
成長するに従い怜は銀太郎に余計な口を出させるのは良くないと思い、小夜と言い合うのを避ける様になったのだった。

(怪しい。やっぱりお姉ちゃん、彼氏出来たっぽいかも)

それでも、探るのを諦めた訳ではない。
小夜が以前から時折食事中に電話の為席を外したりする様になったのを、怜は怪しんでいた。

(お父さんは食事中に電話しても怒った事無いのに、なんで私達のいないとこに行くんだろ?)

「明日はなるべく早く帰るつもりだけど、戸締まりはしっかりしといてよ」
「そんなに遅くなるの?」
「今度は鍵掛け忘れないでね。忘れたら・・・」

自分の目の前で拳を突き出され、仕方なく口をへの字に曲げながら頷くのだった。
銀太郎がやると言っていたが、任せて確認しなかったのも悪い、と反省していた。


9時を回っても未だに銀太郎は仕事場から出てこない。
いつもはもっと早く食事をするのに出てくる気配が無く、怜は心配になって、そっと襖を開けた。


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