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襖の向こう
【父娘相姦 官能小説】

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其の温もり-3

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「おっそいなー・・・」

既に10分も約束の時間を過ぎている事と、電話にも出ない事が小夜をもやもやさせた。
気合いを入れてお洒落をした姿を早く見てもらいたいのに、肝心の勇志がまだ来ない。
友達と遊ぶ時の動きやすさを重視した格好とは違い、精一杯女の子らしくしてきたつもりだ。
ワッフルTシャツの上に、襟元に綿がついたピンクのジャケットを着て、下はデニムのスカートにボーダーのハイソックス。
そして、動物の耳の耳がついたフード付きのマフラーを羽織っている。

果たしてこの姿を見て勇志は何というのか、小夜はどきどきしながら待っていた。


「ごめん、電車が遅れて。ホントごめん小夜、まじでごめん」


程なくして勇志が到着したが、謝ってばかりで服装に気を回す余裕は無さそうだ。

「あの、どう?この格好」
「ああ、似合ってるよ。ごめん、行こう」

予想に反してあまり反応はなかったが、引っ張られてそれを気にするどころでは無かった。
遅刻したしそれどころじゃないか、と小夜は無理矢理自分に言い聞かせる。

「今日何の映画観るの?期待しててって言ってたよね」
「あれだ」

勇志が映画館の前に掲示されたポスターを指差す。先日公開されたばかりの、家族の絆を描いた映画だった。
小夜はこれを以前CMで見かけたのを思い出す。
流して見ていたので、父親と娘の話だという事くらいしか覚えていなかった。


「みんなこっち!もう、遅いよお母さん、お兄ちゃん。お父さんも!」

中に入る途中、聞き覚えのある声を耳にし、振り返る。
遠いのでよく見えなかったが、クラスメイトらしき女の子がいるのを見つけた。

(中島・・・さん?)

何度か話した事はあるけど、友達とまではいかない子だった。
確か二学期の始めに、たまたま彼女が話してた事を耳にしたのを思い出した。
一時期家族と離れて暮らしてたけど、ようやくお父さんが決心して、また一緒になった、と。

(どんな経緯なのか詳しく聞けなかったけど、母親がいて羨ましいと思ったなぁ・・・)


「おい小夜、どうした?大丈夫か」
「あっ、ううん。勇志がなんでこれ選んだのかなって思って」
「だってお前、好きだろ、家族の話。よく話してくれる漫画とか、ドラマとかそうじゃん」


勇志に言われて、そういえば確かにそうだったと小夜は気付く。
家族の話が好きなはずなのに、父親にも妹にも、いつも注意してばかりかも、と苦笑いするのだった。



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