痛みと快感の狭間-9
「ん・・・ふっ・・・実沙希・・・・・」
じゅっじゅっとペニスをひねるように扱くと、強めにしたシャワーが亀頭を刺激して僕は流れ落ちる水の中に精液を放出した。
ベッドに戻ると、実沙希はお尻に氷を乗せながらすーすーと気持ちよさそうに寝息を立てていた。
着ている服を脱がせて丁寧に体を拭き、一緒にベッドへ潜り込む。
僕は腕枕を作って実沙希を抱きしめると実沙希は小さな子供のように僕の胸元に体を埋めてきた。
優しく頭を撫でながら実沙希の寝顔を見ていると、しだいにフワフワと落ちていくような睡魔が襲ってきて僕は静かに目を閉じた。
ピピピピピピピ
けたたましいアラーム音が耳に障って少し不愉快に起こされた。
うっすらと開いたカーテンから光がさして朝を実感する。
寝たままの態勢で起きたので実沙希の顔が胸元に見えた。
どうやらすでに起きているようだ。
「おはよう。体はどう?」
「おはようございます。たぶん大丈夫です」
軽くおでこにキスをするとくすぐったそうに実沙希は笑った。
「さて出かける準備をしようか。シャワーを浴びておいで」
「はい」
僕は実沙希がシャワーを浴びている間にいつもとは違う麻で出来た縄に潤滑油を刷り込んだ。
今日はこれをつけて一日過ごすため皮膚が擦り切れないように縄をなめしておく。
裸で出てきた実沙希はその縄を見つけて恥ずかしそうに下を向いた。
「今日はどこに行こうか」
買い物に行こう
何か欲しいものはある?
あそこの景色は綺麗だから行こう
ディナーはあのレストランにしよう
僕は実沙希に施しているいやらしい事とはかけ離れたありふれた話題を投げかける。
そうすることで日常の中の非日常を感じ取ってくれているはずだ。
「あっ・・・んんん」
縄を縛り終えると実沙希を着替えさせる。
体が動くたびにわざと擦れるように縛った部分がギシギシと音を立て、実沙希は甘い声を漏らしていた。
顔はほんのりと赤く、潤んだ瞳で僕を見つめる。
僕のなすがままに体と感情を支配されている実沙希に、僕はたまらない愛しさを感じて思わず激しくキスをしてしまった。
今までこんなに感情的になったのは初めてだ。
実沙希の全てを
僕の全てに
僕は優しく実沙希の手を取り街に歩を進めた。