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やさぐれ娘は屋上で笑う
【学園物 恋愛小説】

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#01  邂逅-3

ガチャリ……



この学校の扉は基本的にはスライド式の扉だが、ここ、国道側校舎屋上の扉は押し戸(屋内から見て)になっていた。

べつに立ち入り禁止な訳でもないのだが、高校生にもなって屋上にあがるのは浮かれたバカか天文部くらいだろう。

だとしても、天文台は中等部側校舎の屋上に設置されており、第一、いまは授業中だ。



「んん〜〜っ!」



独りなのをいいことに私は思いっきり背伸びをした。

もう七月のクセに、外はそんなに暑くはなく、実に過ごしやすい気候だ。日光浴には最適である。

だが、それも運動すれば汗だくは必至だ。



「――ははっ……なに、あいつら?バカじゃねぇの?」



私はフェンスから校庭で準備体操をしているクラスメイトたちを見つめ、鼻で笑った。

チラリと見ただけだが、自分以外にもサボっている連中がいるようである。

私の所属する一年B組は四十一名のクラスだったが、校庭には見学者を含めても三十人くらいしかいないんじゃないか?まぁ、あの体育教師、林田の女子を見る目はエロいし、そのうえ、男子には無駄に厳しいのだから、当然か。

……しかし、しかしだ。

サボリがいるのは分かってても――、



「ぁ、ふぁ……」

「ぅっ――うおぅ!?」

「ん?」



――その一人がまさか、背後にいるとは思わなかった。

私はあまりの驚きに自分でもビックリするくらいの素早さで身をひるがえし、背後へと視線を送る。

すると、ソコには給水タンクの陰の中、キャンピング用のラックチェア――わざわざ、持ち込んだのか?――に身を沈める一人の男子生徒がいた。

再び、「ふぅあ……」と小さく欠伸を漏らすソイツの正体を私はすぐに思い出した。




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