雨の季節-6
いっそこのまま昇天してもいい
目が覚めたら辺り一面が花畑でもいい
でも、もし死んでしまうのならば、一緒に・・・母さんも連れていきたい。
だってそうでしょう?
母さんの居ない人生なんて有り得ないんだから、ね。
・・・死ねるものか。まだやり残した事はきっと沢山ある。
こんな時に僕は何を考えてるんだ。さっきからおかしいぞ。
「くぅぅぅ・・・!定彦ぉっ、さだ、ひっ、もっとぉ!もっとぉ!もっとぉぉぉ!」
母さんの快楽を求める声に腰を突き上げて応えた。
聞かせてほしい、見せてほしい、母さんの張り裂けそうな声を、狂っていく姿を・・・
母さん、母さん・・・!!
貴女が・・・欲しいぃぃぃ・・・!!!
「くはぁぁぁぁぁ!!」
「んあああぁああ!!」
ほぼ同時に絶頂を迎え、互いの体が仰け反った
母さんの膣内にビュルビュルと僕の愛情の証がぶちまけられていく−
「ねえ、定彦」
倒れこむ様に僕に体を寄せて、キスをしてきた。
「もう少し・・・このままでも、いい?」
「ずっとしててもいいよ」
雨は止んでいた。
怒り狂って屋根を無数に叩いていた音もすっかり聞こえなくなり、静けさに包まれている。
「暑いね」
隣で布団に横たわる母さんが、こくんと頷いた。
夏よりは暑くないので扇風機でも間に合うけど、やっぱり・・・した後は暑い。
お風呂を済ませた母さんは髪がしっとりと艶を帯びていた。
表情からはまた動きが無くなったので、普段の状態に戻ったらしい。
俺は母さんが眠るまで髪を撫でてあげた。こうしないとなかなか寝付けない。
それは、僕も同じだ。寝る前に母さんに何かしてあげないと安心して眠れないから、ね。
程無くして微かに開いたままの厚い唇から寝息が聞こえ始めたので、安心して目を閉じる。
母さんは僕が守る。
母さんはもう僕のものだ−
傍にはもう父親はいない。だから、母さんに手出し出来ない・・・
僕の心に、黒い欲望が静かに産声を上げた
〜〜完〜〜