喫茶店 daisy-5
「湯来サン。ごちそうさまでした。カイキくんもありがと」
「…………」
「あらあら。もう食べちゃったの?」
厨房からひょっこりと顔を出した湯来。
「ごちそうさまでした。まだ家で勉強しないとね。近々テストが……えへ」
「無理はしないようにね? たまには夕飯食べに来なさい」
『はーい』と返事して、明希は喫茶店を出て行った。
「心配だったのねー」
「……?」
明希の様子に湯来は小さく笑った。が、カイキは全く理解できない。
「カイキくんのこと。わざわざ様子見に来たのよ。学校帰りで疲れてるのに」
「…………」
「明希ちゃんは良い娘だから、信じてあげてね。……さて、カイキくんはもうあがってちょうだい。今日は見学って言ってたのに手伝わせてごめんね」
申し訳なさそうにカイキに謝り、湯来は店を閉める準備を始めた。