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とある街のとあるモノガタリ
【純愛 恋愛小説】

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喫茶店 daisy-4

「カイキくん、ここで働くことにしたの?」

「…………」



 カイキは見れば解るだろうと言わんばかりに仏頂面で顔を背けた。そんなカイキに笑い溢すと、明希はサンドイッチを手に取る。



「湯来さんは?」

「……調理場……片付けするから、店に出ろって」

「そっか」



 明希はサンドイッチを一口、口にする。



「カイキくんって料理上手?」



 サンドイッチを味わいながらカイキに訊ねると彼はさらっと言ってのける。



「…………別に。やり方解れば誰でも出来る」

「そ、そう?」

「…………アンタ、出来ないのか」

「う…………うん」



 視線を泳がせ、明後日の方向を見ながらを小さな声で明希が返事すると、カイキは彼女を見たまま黙りこむ。



「…………」

「…………エヘヘ」



 会話の途絶えた間、居たたまれないのか明希は黙ってサンドイッチを食べ、完食し終えた。




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