〈蠢く瞳・其の三〉-10
夏帆(……有海先輩……)
一瞬、有海と夏帆の目が合った……この卑劣な男達と戦う術など一つも無いというのに、それでも有海は必死に戦おうとしていた。
涙を流しながらも、その瞳からは闘志の輝きは消えてはいない。
それは試合の時に見せた、どんな時でも最後まで諦めずに戦う姿と重なって見えた。
どんな時も凛々しく、強い存在……やはり有海は、夏帆の尊敬に足る先輩だった。
そして、その尊敬する先輩に、田尻はゆっくりと近付いていった……。
有海「……絶対…私…黙ってないからね!!警察に言ってやるから!!アンタらなんか、全員逮捕されるんだからね!!!」
怒り心頭で幼稚な怒声をあげる有海に、男達はまたも笑い出した。
田尻も失笑しながら、手に持った注射器のような物を、睨んでいる有海の顔の前にチラつかせた。
田尻『……その大切なユニホーム、自分から汚したりはしないよな?ククク……』
有海「……な…何だよ……何し……!?何すんだよぉ!!!」
小さなペットボトル程の大きさの浣腸器の尖端を、プスリと有海の肛門に挿し、内部に溜められていた牛乳をゆっくりと注入していくと、明らかに有海の表情には動揺がみえた。
有海「ひ…ぎ……何考えてんだよ!!クソ田尻ぃ!!!」
遂に有海は、田尻に対して暴言を吐いた。
テニス顧問としての尊敬の念など、もはや吹き飛んでいた……教師の立場を利用し、女生徒の心と身体を貪り喰う、唾棄すべきただのオヤジだ。
その薄汚い“オヤジ”は、脱がしていた有海のアンダースコートを元通りにピッチリと履かせた……田尻や男達が何を《期待》しているのか、有海にも夏帆にも理解は出来た……。
田尻『生徒が教師に対して生意気な言葉を吐く……一般的にも許されませんよね?』
『当然ですな!そのような生徒には厳しい教育をしないといけませんな』
有海「ハア…ハア……何が教育よ…!?……ふざけるな、バカァ!!!」
通常の浣腸では常温の物を使い、体温との温度差による刺激を和らげるのだが、田尻の注入した牛乳は、低温で保存されていた物だ。勿論、冷た過ぎる物は危険で使えないが、激しい運動で熱の高まっている身体に冷えた牛乳の注入は、自然と刺激は強くなる。
僅かな液体の注入ではあったが、直腸は刺激に驚き、強烈な腹痛を起こして排泄を命じた。