雨の中-プロローグ-7
「カイキくん、これからどうするの?」
「別に。アンタには関係無い」
つっけんどんにそう答えるとカイキは面倒そうに壁にもたれ掛かった。
「うん、まあ、そうなんだけど……。あのね、行くとこ無かったら、紹介するけど」
「…………アンタ、何企んでるの?」
「企む?」
訝しみながら明希を見るカイキは不信の色を隠さない。
「違うよ。…………少しだけ、手伝ってるの」
「は?」
明希の答えにならない答えにカイキは険しい表情を浮かべる。そんなカイキに微苦笑を浮かべると明希は真っ直ぐ彼を見つめて口を開いた。
「カイキくんって、人間嫌いでしょ」
「…………」
「だから、湯来さんトコ行こう。きっといろんなこと見えてくるから」
明希がそう言うと、カイキは理解不能とばかりに首を振った。