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Crimson in the Darkness
【ファンタジー 恋愛小説】

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Crimson in the Darkness -離別-(side;lee)V-1

 怒られたのが怖くて涙がぼろぼろ出てきた。でも、これでサヨウナラはもっと怖く思えて、そしたら、追い駆けてた。ベッドを降りて、部屋を飛び出して、廊下の曲がり角に消えていくアークの後姿を見つけて、廊下を走った。涙が邪魔で、ちゃんと前が見えない。だけど、必死で追い駆けた。



 追い駆けて、向かった先には大きな木の扉。他に扉はないから、そこの扉を開ければ、アークがいるかもしれない。扉の取っ手を掴んで開けたら、聖母像がある礼拝堂―――見つけた。



「アーク!!」





 もう一つの扉に向かって歩いていくアークの背中に向かって叫んだ。





「…………」





 ちゃんと聞こえたみたいで、アークの足が止まった。もう扉の目の前だけど。 走って、傍に駆け寄って、何から話していいのか解からなかったけど、自然と出てきた言葉をそのまま吐き出した。





「ごめんなさい」



「…………」





 何も返ってこなかった。でも、今度はおれから言わなきゃ。 声が震える。ちゃんと話せるか解かんないけど、頑張らなきゃ。また後悔するのはイヤだ。





「ごめんなさい。何も言えなくてごめんなさい。…………おれ、アークを信用してないんじゃないよ。でも、…………怖かった…………おれが“悪魔の子”だって解かって、…………アークが……」





 また、途中で言葉が止まった。言わなきゃいけないのに、言葉にならない。



 ――コワイ。



 背中越しにアークの溜息がまた聞こえた。




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