Crimson in the Darkness -離別-(side;lee)V-3
「どの道、結果は同じだ。それに、一つ教えてやる」
「オレは悪魔が嫌いだ。皆殺しにしてやりたいくらい憎い。その血を引くお前も…………同じだ」
呆れた冷たい声で聞こえてきた『嫌い』って言葉に息が出来なくなった。
―――『アンタなんか大嫌い!!』
まだ残ってるあの人の声がまた聞こえた気がした。…………もう居ないのに……また聞こえた。
「解かったか」
「っ」
アークの低い声がまた聞こえて、我に返った。
あの人と同じことを言うアークはきっとあの人と同じ気持ちなんだ。
だから、おれのことも嫌いなんだ。
だから、要らないんだ。
だから、もうここに居ちゃ駄目なんだ。
「荷物は総本部宛に送っておいてやる。お前、もうオレの前に現れるな」
止まってた涙がまた出てきた。
もう何も言っちゃ駄目だ。もうこれ以上、傍に居たら……アークが“ツライ”んだ。
暫くすると、扉が閉まる音が聞こえた。もうアークは居なくなってて、そうなって急に力が抜けてへたりこんだ。
「…っふぇ……っ………う、……」
涙が止まらなくて、そのままおれは声を上げて泣き始めた。