Crimson in the Darkness -離別-(side;lee)V-2
「………………。オレが、お前を拒絶するかと思ったのか?」
「………………うん」
「………………そうか」
静かな口振りでそう言うアークに解かってくれた、なんて勝手に思ってしまった。
コツッと足音を立てて、目の前のアークが振り返った。顔を上げて、ちゃんと目を見て話そうと思った。
「アー……っ」
でも、言葉にしようとしていた何もかもが一気に消えてしまった。振り返ったアークは今まで、見たことないくらい怒ってたから。
「結局、お前はオレを信用しなかったってコトだろう。オレがお前を拒絶するなんて、何で解かる? お前はオレの何を知ってるんだ?」
「ちがっ」
解かってくれたんじゃない、余計に怒らせたんだ。
「違わねーよ」
「違う……違う、ちがう……」
違う。違うのに……。ギュッと握り締めていた手が自然と震えてた。