Crimson in the Darkness -離別-(side;lee)U-1
アークと一緒に来た金髪の男の人のことをリアナはヒューイって呼んでた。そのヒューイって人とリアナは部屋から出ていって、おれとアークだけになった。
なんかスゴく息、しにくい。
「オイ。馬鹿ガキ」
「……」
「お前、ヴァンパイアから逃げてきたんだろ」
顔を見るのが怖くて、顔を上げられないままおれは頷いた。
「で、それは何でだ?」
「……?」
怒られると思ってた。スゴく詰られると思ってた。でも、アークは怒るでもなくいつもと同じ口調で訊いてきた。
それに驚いて、思わずアークの顔を見てしまった。
「何拍子抜けしてンだよ。後で理由を聞くって言っただろうが。馬鹿ガキ」
「そ…だっけ?」
扉に寄り掛かったまま腕を組んで、アークは不機嫌そうに眉間にシワを寄せた。