Crimson in the Darkness -離別-(side;lee)U-2
「はあ。で、理由は?」
「…………」
言わなきゃいけない。リアナが話してくれてるかもしれないけど。おれがちゃんと言わなきゃダメなんだ。
…………でも、怖くて何も言葉にならなくて、また下を向いてしまった。
「全く。お得意のダンマリか。…………聞いたハナシじゃ、お前がヴァンパイアと人間のハーフ『ダンピール』で、その同族殺しの能力で追われてるって聞いた。それで合ってンのか?」
「…………」
合ってる。間違ってない。でも、やっぱりそれを認めるのが怖い。
だから、結局また黙り込んでしまった。
部屋がヘンに静かでアークも何も言わなくて、スゴく居心地が悪くて……段々泣きたくなってくる。でも、きっと泣いたらもっと言葉が出なくなっちゃう。だから、今は泣かないようにしないといけない。
「…………なあ」
不意に聞こえたアークの低い声。
「な、なに…?」
……怖い……。自然とシーツを握りしめてた。
「…………お前、オレのこと信用してねぇだろ」
「は!?」
何でそんな話になるんだよっ。意味が解んなくて、アークを見るといつになく怖い顔をしてた。