第4章-2
「カエデにプレゼントだ」
お父さんが紙袋をくれました。
中身は首輪でした。
「いつまでもお母さんのお下がりってわけにはいかないからね」
「ありがとう!」
なんだか私も一人前として認めてもらったような気がして、お父さんのホッペにチューをしました。
「貸してごらん」
お父さんは新品のピンクの首輪を私につけてくれました。
「あぁ、はぁ……」
胸がキュンとなってスイッチが入りました。
私にとって首輪はパブロフが鳴らす鐘なんです。
「似合うよ」
「へへへっ」
私は股間に触れました。
当たり前のように湿っていました。
「濡れちゃった」
と、照れて言いました。
混浴風呂は離れにあって、日本庭園を通っていきます。
私はプレゼントされた首輪にリードがつけられ、お父さんに引いてもらいました。
私は犬です。
ですから、四つん這いです。
浴衣はたくし上げられ、お尻をプリンとさらします。
下着の代わりにボンテージ衣装を身につけていました。
小さめの穴からおっぱいが絞り出されたように飛び出て、存在を強調しています。
アナルにはプラグを差し込んでいました。
プラグについたフサフサとした毛が垂れ下がり、本物のしっぽのようです。
咥えたボールギャグの穴から、涎がしたたり落ちていました。
夏は終わりを迎えましたが、紅葉にはまだ早く、青々と茂った木々の下を家族揃って歩きました。
浴衣姿の両親と犬になった私。
何となく風情があります。
「かわいらしいペットをお連れですね」
男の人に話しかけられました。
口ひげを蓄えたダンディーな初老の人で、旅館のお客さんのようです。
完全に無防備だった私は隠れるタイミングを逸しました。
「うちの娘です」
お母さんが微笑みながら言いました。
見ず知らずの人にあられもない姿を見られて警戒しないはずがなく、私はお父さんの後ろへ隠れました。