第3話『ふつうがいちばん』-1
第3話『ふつうがいちばん』
この前、友人Kに「最近おまぃら仲いいけど、いつの間にデキてたんだよ?」的なことを言われて、うっかり反射で「ただのセフレだ!」なんて反応してしまったら、ドン引きされた。
なんでドン引き?!
そこは男やったら食い付くトコやろ。
・・・俺ってそーゆーかんじやないってコト?!てか、俺ってどーゆーイメージなん?
これぞ日々の刷り込みの賜物か・・。俺としたことが全く不用意なことを言ってしてしまった。
そしてある日、またまぁが、
「そろそろフツーのセックスというものがしたいデス。」
なんて、突然言いだしたのだった。
―― だから、普通のってどないやねんっ
俺は心の中でビシッとツッコミを入れていた。
「ねぇ。しゅーちゃんって童貞さん?」
(がくっ)
・・平気でそんなこと訊いてくるヤツだ。
しかし、どうなんやろうなぁ・・・
どーも快楽主義に走りがちなまぁ。
よくよく聞き質してみたら、お手軽なネット情報からはじまって、AV(最近じゃ宅配で簡単に借りれるもんな)、ポルノな読み物(軽く腐ってやがった(涙)、・・BL含む)、大人の玩具、薬(?)・・・
と、可能なかぎりいろいろやっていたようなのだ。
我が幼馴染ながら恐ろしいやっちゃ。
しかし、どーしておまえはそんなにエロに目覚めてしまったんや?
そしてこのあいだ、玩具なんかではついに満足出来なくなったのか、たまたま手近にいた俺なんかにケツの穴(ここ微妙・・)を捧げてしまったのだった。
いまさらながら俺は動揺を隠しつつ何気に訊いてみた。
「おま、普通のってどんなんよ?」
そうなのだ・・。
俺たちはアレから『普通』のよーなコトをやっていない。なので形式的には世間一般でいうような『普通』のセックスはまだしていないといっても差し支えないだろう。たぶん・・。
「んーとねー。フツーにキスからはじめるの〜」
うっとりと夢見る少女のようにまぁが答える。
「キス、ねぇ・・」
思えば俺のはじめてのチューは小3のとき、家族で行った田舎の海で・・・(って、くだらないハナシなんでここカット。この記憶は強制消去! 皆さんのご想像にお任せしマス)。
あれはあるイミ、もう時効ってことでノーカウントになるんやろうか?
「ちゅーしよ。しゅーちゃん、ちゅ〜」
はっと気付いたら、いたずらっぽい表情を浮かべてまぁが俺に迫ってきた・・。
―― 俺なんかでホンマにいいんかよっ?! って、
「ちょい待てぇーぃ! ここはアッカーンっ!」
近づいてきた顔を全力で引ひっぺがす。
この大バカモンがっ!
「ティーピーオーってもんを考えぇっ!」
・・・それにしても最近、気になるのは、コイツが処女か非処女か?ということだった。
「いまさら?!」って、ソコ、つっこむの禁止な。