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君を好きになりました。
【純愛 恋愛小説】

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君を守っていきたいです。-1

―ああ〜…なんでこんな長い休みがあるんだ…
留年した俺、高山健吾(たかやま けんご)は運命の子神崎鈴香(かんざき すずか)ちゃんに出会い学校を辞めることをやめ、鈴香ちゃんに会うために毎日学校に通っていた。
しかーし!!こんな長い休みがあるだなんて…そう、今日から夏休みに入ったのだ。
―…はぁー…来るわけねーのに…
俺、学校もないのにいつもの様に駅にいる。
―ったく…バカみてー…帰ろ…
そう思いホームに背を向けたとき…
―え!?なんで!?
彼女が、鈴香ちゃんが制服姿でホームに立っていた。
「…高山君…」
鈴香ちゃんとは大分話すようになってて、俺は『高山君』なんて呼ばれるようになっていた。
「おう」
「ビックリした、私服だから分からなかった」
「夏休みだろ…お前のとこ夏休みねーの?」
俺の言葉に一瞬間があり、鈴香ちゃんは吹き出した。
「ぷっ…あるけど…課外授業があって…あはは…」
―あっ…またやった…
俺、こんなことばっか…やっぱ、頭悪りーとか思われているだろうな。
電車がホームに入ってきて、俺、なんだか恥ずかしくなってホームから出ていった。
鈴香ちゃんは不思議そうな顔をして電車に乗り込み、あっという間に小さくなっていく。
―やっぱ頭いいんだろうなー…っても勉強する気なんねーし…でも、大丈夫!!こんな俺でも笑顔見せてくれてるし、話かけてくれてるし、嫌われてはない…はず…
俺、家に帰ると今だに渡せないでいるきれいなハンカチを眺めた。
―間違って渡すしよー…俺バカだしよー…だってまさかだよ、夏休みまで学校行って勉強するなんてよ。ぜってー無理!!
その時、ズボンのポケットに入れていた携帯がなる。
―あっ!!そうだ、俺、鈴香ちゃんの携帯知らないじゃん。うわっ!!何やってんだよ、俺としたことがーー!!今度聞かなきゃな…
「もしもーし」
「健、今何してんの?」
それは遊び仲間の隆史だった。
「いや、なんもしてねーけど?」
「海行かね?」
「海?あ〜…悪り、やめとくわ」
「なんだよー行こうぜ、いい女いるって」
―…女か…
俺の頭に鈴香ちゃんの笑顔が浮かぶ。
「やっぱやめとく、気ーのらね、じゃあな」
「あ!?健?ちょっ…」
俺、隆史が言い終わらないうちに電話を切った。
―海か…いいなー…鈴香ちゃんと行きてー……
鈴香ちゃんの水着姿が頭に浮かぶ……
―だ、だめだ!!水着なんて他の男が見るだろ!?うわっ、許せねー!!だめだ海はだめだ!!
俺、行く訳じゃねーのに熱くなる。
―海がだめなら山か?ああ!!キャンプか!!えっ泊まり!?うおっやべっそれはやべー。だめだ、考えただけで緊張してマジ心臓止まる!!
バクバクいう心臓を押さえ、ベッドへ倒れ込んだ。
―……何やってんだ俺…鈴香ちゃんを目の前にしたら上手く言葉も出ねーくせに…
俺、天井を見上げ、外でうるさく鳴くせみの声を聞いた。
―ほんの何カ月前まで女なんて遊ぶ物だとしか思ってなかったのに…鈴香ちゃんだけは…彼女だけは違う…俺、どうかなっちまった…
次の日の朝から俺は駅へ通うのが日程になった。
話しかけるわけでもなく、ただ鈴香ちゃんの姿を一目見て家に帰る。


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