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君を好きになりました。
【純愛 恋愛小説】

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君の笑顔が見たいです。-2

―…大丈夫かな、本当になんかあったんじゃねーかな?
俺、ホームから改札口に向かう階段を降りようと足をかけた。
―ん?
そんな俺の目は階段横のベンチが映った。
―!!す、鈴香ちゃん!!
鈴香ちゃんは、ベンチに座り、うつむき、両手で目を覆っている。
―なっ泣いてる!?
俺の体が固まる。
―どうする俺!!いきなりなにがあったとか聞けないよなー!?おいおいおい、どうすんだよ俺!!
俺の体は汗でしめってきて、心臓はばくばくいって…
―あっ!!ハンカチ!!うおっ俺頭いい!!まじ冴えてる。
俺、鞄の中から渡せないままになっていたハンカチを取り出し、包装を急いで破ると鈴香ちゃんの前に差し出した。
「…大丈夫か?」
俺の声で顔をあげた鈴香ちゃんの目は、真っ赤で、涙を溜めている。
―うっ…
「使えよ」
俺、ハンカチを鈴香ちゃんに押しつけると隣のベンチに腰をおろした。
―うおっ座ったよ俺、どうすんだよこれから!!
「…このハンカチ…」
鈴香ちゃんは俺が渡したハンカチを俺の前に出した。
「いいよ、やるつもりだったんだあんた…神崎さんに…俺、この間神崎さんのハンカチだめにしたから…」
「ありがとう」
鈴香ちゃんはそう言うとそのハンカチを目にそっと当てた。
―………
「…大丈夫か?その…なにかあったのか?あっ、いや、別に言いたくないならいいんだけど…」
―なに聞いてんだよ俺!!
「え?」
「いや、悪い、ごめん、変なこと聞いて」
−ようだよ、調子乗んなよ俺!!鈴香ちゃんが泣くなんてよほどのことだ。そんなの俺に話してくれるわけねーよ。
だけど俺の心配とは反対に鈴香ちゃんは笑いだした。
「くすくすっあははは…」
―へ!?
「あ…あの…」
俺、笑いころげる鈴香ちゃんに何がなんだか分からずゆっくり話しかけた。
「あははは…ご…ごめんなさい…でも…」
―…えと…??
「ごめんなさい高山さん、私、一週間前からコンタクトをソフトからハードに変えたの、なんだかまだ慣れなくて、ゴロゴロして痛くて…」
鈴香ちゃんは俺の渡したハンカチで、痛みのせいか笑いのせいか、流れる涙を拭う。
―…コン…タクト…?………なんだよーー……コンタクト……
「心配かけてごめんなさい、ありがとう」
―うわっ…
この時の鈴香ちゃんの笑顔、俺を見上げる笑顔、それだけで俺の思考は完全に停止した。
「ハンカチ、本当にもらっていいの?」
「あ…ああ…いやもともと俺がハンカチだめにしたんだし…コンタクトでよかったよな…」
―俺、しゃべってんのか?何言ってんだ?
その後、なんか話してたようだけど、俺は鈴香ちゃんの笑顔しか覚えてなく…ボーッとする頭でどうにか家に帰り着いた。
―…俺…心臓いてー…
ベッドへ座り込んだ俺、ハンカチを鈴香ちゃんに渡したことを思い出した。
―そうか、やっと渡せたんだ。じゃあもう一つのクシャクシャになったハンカチ、捨てていいよな…
そう思い鞄の中をあさった。が、
―……ない……
よう、捨てようと思っていた方を鈴香ちゃんに渡したらしい…
―ああああぁぁぁー…俺のバカー!!なんっで間違えるかな!!もう、まじバカ、バカ!!ああ〜……
俺、きれいに包装されたハンカチを片手に床へ倒れ込んだ……



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