幻蝶(その2)-4
「…柔らかくていい尻穴だぜ…」
男の亀頭がボクの尻の秘裂をなぞると、ボクは嗚咽を洩らしながら、高々と掲げた臀部が悶える
ように小刻みに震える。男がボクの背後から臀部にのしかかる。ねっとりと体液が絡んだ生あた
たかい男の皮膚が、ボクの臀肌に吸いつく。
男の硬い肉根の先端が、ぬるりとボクの狭隘な尻のすぼまりをゆっくりとらえ、太く長いものが
そのすぼまりを引き裂くように挿入されようとしていた。
「…やっ、やめてください…」
叫んだボクの肉芽のまわりの筋肉が、一瞬ゆるんだかと思うと、ボクの尻穴が男の一物の先端を
とらえ、ずぶりと内奥に受け入れる。
いったいどういうことなのか…わからなかった…ボクの鞄に知らないうちに女性の下着が忍ばせ
てあったこと…
そして、ここでふたりで会いたいと言ったのは亜沙子さんだったこと…なのに…どういうことか
わからなかった…何かがボクの咽喉を息苦しく締めつけた。
…うっ、ううっ…
ボクの呼吸が乱れ、痛みが尻の穴全体に走る。男のペニスが烈しく突き刺すようにボクの尻穴の
粘膜を刺激していた。
男は腰をじわりじわりと押しつけてくる。太い肉塊はずぶずぶととボクの肛門の奥深く挿入され
ていく。
男は激しく体を揺すりながらボクの背後から前後に蠕動を繰り返している。そしてボクの股間を
まさぐり、彼のざらりとした手がしっかりとボクのペニスを握りしめ、強く揉みしごいている。
「…どうだ…気持ちいいだろ…」
初めて掻き切られた尻穴の襞…そして、男の撥ねるような肉棒から、ねばついた精液が迸るよう
にボクの中に注ぎ込まれた。その精液は、まるで襞に群がる無数の蛔虫のように蠢き、ボクの中
の奥深くへと、身震いするような痛みをともないながらねっとりと流れ込んでいく。
ボクの蒼い体の背後で波打つ男の醜い尻肉…そして、一方では別の男のものをボクは、唇の中に
押し込まれた。口の中に、肉棒の表皮から滲みでる饐えた甘酸っぱい匂いが広がる。
男たちのものを咥えさせられ、しゃぶらされたボクの口の中に広がる精液…ボクはそれが、現実
なのか夢なのかわからなかった。
一体、どれくらいの時間だったろうか…ボクは、不良男たちに交互に臀部を犯され続けた。
あのときのことをふと思い出したとき、檻の中のアサちゃんが笑っていた。
ボクは、窓から外を眺める。暗闇に包まれ始めた空が見える。
あのとき…卒業式の前日に、ボクはあの体育倉庫の中で、男たちに犯されたのだった。倉庫の扉
の陰から数人の女生徒が、犯されるボクのその姿を楽しそうに見ていた。
…そして、その中に亜沙子さんもいたのだった…。