生徒会へようこそ【MISSION4:幽霊の謎を解明せよ!】-5
オッさんがポケットから小さな銀色の鍵を取り出して、扉を施錠したのを僕はしっかりと確認した。
宝さんの手前、扉に手を掛けてみたがやっぱり開かなかった。
みんなで一緒に階段を降りる中
「…あ」
僕はあることに気がついた。
「優?」
「時間割表忘れた」
しまった。教室の机の中に置きっぱなしだ。
「みんな先帰ってて下さい。僕、教室に寄ってから帰るので」
僕がそう言うとみんな手を振りながら、僕に背を向けて行ってしまった。
「寿絵瑠も一緒に行くぞ!」
宝さん以外は…。
「い、いいよ」
「まぁ、気にするでない!」
宝さんは体を小さくすると
「先輩たちの前では話せないこともあるではないか…!」
と、小さいながらもウキウキと弾むような声で囁いた。
「…あ、うん…。何か楽しそう、だね」
「秘密はいけないことと分かっていても、なんだかワクワクするなっ」
余計なこと言っちゃったかなぁ〜。
心の中でため息をついたことは宝さんには内緒だ。
考えてはみたものの、やはり幽霊はただのサボりの女子だと思う!というようなことを教室に向かいながら宝さんに話していた。
「しかし、それでは神坂の能力を疑わざるを得ないではないか!」
全く…宝さんは何でも信じるんだから。
「あんな胡散臭い能力、どんどん疑えばいいよ」
「うぅむ」
案の定、教室までは誰ともすれ違わない。
もしかしたら、僕らが一番最後の生徒なのかもしれない。
教室の扉をガラリと開ける。耳鳴りが聞こえそうな程の静寂と、どこか薄暗く、四隅に陰を落とした空間が広がっていた。
しかし、そんなことを気にすることもなく、僕は自分の机の中に手を突っ込む。