生徒会へようこそ【MISSION4:幽霊の謎を解明せよ!】-12
「そういう訳にはいかないでしょう?宝さん、怖がって委員会に来てないんですよ?」
そう。宝さんは今、この場にいない。
4人しかいない第4多目的室は、隙間が多くて寂しく感じた。
「このことが解決しなきゃ宝さん、生徒委員会辞めちゃうかもしれませんよ?」
「それは…絶対ヤダな」
爪を手入れしていた小鞠さんはしゅんとして呟いた。
キミさんもオッさんも何も言わないが、どちらも何とも言えない情けない顔をしていた。
ほら、二人とも嫌なんじゃん。
「…でも、全っ然分かんないんですよねー」
僕はまた机に突っ伏した。
頭は幽霊のことでいっぱいだ。
机の上に投げ出した時間割表。それをそのまま第4多目的室に忘れて来てしまう程に。
僕の時間割表は次の日の放課後まで放置されることとなった。
時が過ぎるのは早く、あっという間に一週間が過ぎた。
この数日で、幽霊の噂は瞬く間に広がって行った。
必ず授業中に幽霊は出現した。
1日に何度も現れる日もあれば、一度しか現れない日もある。
僕はクラスの窓から何回か彼女の姿を目撃した。
『水曜日:無し
木曜日:朝・ホームルーム 2時間目・歴史 5時間目・現代文
金曜日:3時間目・リスニング
月曜日:4時間目・数学 5時間目・英語
火曜日:1時間目・数学 5時間目・家庭科
水曜日:2時間目・古文』
これは幽霊が現れた時間と授業内容をメモしたものだ。
ん〜…バラバラだなぁ…。
昼休み、一人寂しくメモ用紙と時間割表を見比べる。
頭を抱える僕の机に影が落ちたので顔を上げると、紅が眉間に皺を寄せて僕を見ていた。
「何だよ?」
「ユン…まだ分かんないのか…?あれのこと」
紅が声を潜めた。
「うん。全っ然ダメだ」
はぁーっと僕は椅子に座ったまま足を投げ出す。
さぁっと紅の顔が青ざめた。
「さっき、俺らが体育の時も出たらしいぜ…」
体育。4時間目のことか。
「5組の奴が言ってた」
「へぇ、そうなんだ」
「お前何でそんな普通なんだよ!怖くないのかよ!」
「あんまり」
「お前も渡邊先生もなんなんだよ…」
何でそこで渡邊先生が出てくるんだ?
「渡邊先生?」
僕が首を傾げると、紅はその理由を教えてくれた。