JoiN〜EP.FINAL〜-4
『夜になるんじゃなかったの?時間大丈夫?』
「もっと話してもいいってさ。あとでケツを捧げなくちゃならなくなったけどな」
『立花さんてお尻好きなんだね。意外と変態かも』
「隙あらば狙ってるんだ。だから、もしもの時はこないだみたいに庇ってね」
『やだ、絶対』
俺が何度かお仕置きされてるのを見ていたので、栞菜は既に立花さんが尻目当てなのを知っている。
酷いのよあの人、上司なのをいいことにあんな事やそんな事、いやらしい!
私はすっかり汚れてしまったの、もうお嫁に行けない!
・・・栞菜に伝えたいのはそれじゃない。人の性癖なんかどうだっていいはずだ。
「栞菜・・・好きだ」
『それ毎日言ってない?でも・・・えへ、嬉しいな。もう一回聞きたいっ』
受話器越しに甘える顔が見える様だ。
今すぐ会いたい、抱き締めたい。栞菜をもっと近くに感じたい。
最初のうちはお互い何を言ってもラブラブなんだよな。
『いつかご飯いこうよ。美味しいとこ知ってるんだ』
「韓国料理屋か?確か新大久保にあったな。俺辛いの苦手なんだけど・・・」
『へー。男の人なのに辛いのダメなんだ。ちょっとがっかり』
なっ?!何だと?!この俺に失望しただって!
たかが唐辛子どころか胡椒が駄目なだけで男失格認定など、プライドが許さない!
「いいよ、行こう。明日か?辛いのなんて俺には何とも無いんだからな」
『大丈夫?無理しない方がいいよ』
「平気なんだよ!行くって言ったら行くんだ!」
『じゃあそのうち行こうね。メニューは全部激辛だから楽しみにしてて!』
し、しまった・・・勢いで約束してしまった。
栞菜め、俺を手玉に取るとはなかなかやるな。付き合う前からそうだったが、一段と捌き方が慣れた感じがする。
こうなれば出来る限り引き延ばし、忘れるまで待つしかない。
よし、食事の約束が出来た。これでトイレから出られ・・・
「栞菜、お前に聞いてほしい事がある」
まだだ、肝心な事を伝えてない。どうしても聞いてほしいんだ。今後に関わる大事な話がある。
『やっぱり嫌なの?やだ、行きたい。もう約束したもん』
「お前の・・・支えになりたい。これから、ずっと」
『・・・ど、どしたのいきなり、やだっ、今更・・・////』
そう思ったのはもしかして初めてかもしれなかった。
この¨ときめき¨というヤツは恐ろしい。
口下手で純情な俺にここまで言わせてしまうんだからな。