〈蠢く瞳・其の二〉-9
夏帆「………」
死んだように動かない夏帆が、薄く目を開けた。
明るさを感じる……目隠しは外されてるようだ。
夏帆(……まだ……この部屋にいるんだ……)
酷すぎる悪夢は、やはり現実なのだ……相変わらずストッキングを被った男達がうろつき、分娩台に身体は拘束されている。
弄ばれた乳首や秘豆は皮膚が傷み、少し赤く腫れていたが、そこには昨日と同じく軟膏が塗られていた。
自分達で傷付けた身体に薬を塗り付け、癒えたらまた傷付ける……少女を物としてしか扱わぬ、まさに鬼畜だ。
虚ろなままの夏帆は、口に流し込まれる水を、昨日と同じように飲み干し、千切って口に放られたパンを、無表情のままムシャムシャと食べた。
恥辱に塗れ、全てを諦めてしまった精神は、羞恥心も、抵抗も忘れてしまっていた。
何もかも無駄だった……何をどうしても、結局は男達の欲望を一身に受けて、射精の道具にされるだけ。
もう自分の身体は自分の物ではなく、男達の肉人形として扱われるだけだと、夏帆は現実を受け入れるしかなかった。
『いっぱい食べるなあ、まだパンならあるぞぉ』
『喉に詰まった?水飲んで……そうそう』
優しい口調と態度で、男達は夏帆に食事を与えた。
夏帆も食欲など感じてなかったが、合宿にきて初めての食事にありついた事で、一心不乱に咀嚼し、胃袋に流し込んでいた。
干からびた細胞に、生気が満ちていくのを感じる……羞恥心の壊れてしまった今、これまでの醜態を理由に、自ら命を絶つ必要は無くなっていた。
『ヘヘ……昨日の夏帆ちゃんを見るか?』
またもモニターが運ばれ、夏帆に向けて映像が映し出された。
拘束されて悪戯をされて、泣きわめいている夏帆の姿だ。
夏帆「…………」
ぼんやりと、夏帆はモニターを見つめていた……眉一つ動かさず、弄ばれる自分の姿を眺めていた……ボロボロの少女の心は、感情すら生み出さなくなっていた……。
『まだコレは必要ですかな?』
『着けたほうが良いでしょうな、噛まれたら大変ですからね』
映像に無反応の夏帆に、男達は全く興味を示さなかった。
少女の涙や悲鳴に興奮する変態達には、やはりつまらないのだ。
ならば、少女の身体を弄び、楽しめばいい……夏帆は再びホールギャグを噛まされた。
意志を示そうともせず、男達に身を任せている様は、紛れも無く人形そのもの。
その《人形》の口に、男は早くも怒張している肉棒を挿入し、グリグリと口の中に亀頭を擦り付けた。