過ぎ行く日々、色褪せない想い-48
10/26
牧夫が上機嫌だった。
いつもはカーテン開けていることにいらだっていたみたいだけど、今日はなんか違うの。
で、休憩時間とか、悠のことを聞いてきた。
別にたいしたことでもないし、いろいろ教えてあげたの。
昔はお互いに結婚しようよとか言ってたのとか、最近はウチを振って年下の和子ちゃんとかいう可愛い子と付き合ってるとか、あと、この前の大会で優勝したとか、ほんと他愛の無いこと。
牧夫はなんか余裕を取り戻した感じで、二人には幸せになって欲しいね。なんていってた。
こういうところが大人の余裕なのかな。
頼もしいな。牧夫……。
11/1
死にたい。
っていうか、死んで欲しい。
相手はあのブラインドの奥で引きこもってるバカ。
最悪だ。
昔から知っている分だけ、辛い。
悠があんなことをする奴なんて……。
もうメールも電話も拒否だ。
アイツなんて知らない。
どうして後輩の彼女さんと浮気したんだろ……。
あてつけ? ウチが牧夫と一緒にいるのが悔しかったから?
そんなん違うよね。
そこまでクズじゃないよね。
でも、どんな理由があっても、悠がしたことは許せないよ。
牧夫、会いたいよ。
なんでこんなときにカテキョ入ってないの?
一人にしないでよ……。
こんな辛いときに……。
11/2
死にたい。
ていうか死にたい。
謝っても謝りきれない。
牧夫があんな奴なんて信じたくない。
けど、事実なんだ。
悪いのは牧夫。
けど、ウチだって悪い。
悠はウチのこと、ずっと心配してたんだ。
それならそれで、言ってくれたらいいと思う。
けど、多分、信じられないと思う。
牧夫とのことを嫉妬したからって思うんだろうな。
ウチ、まだまだ全然子供だった。
今日
悠に来てもらうことにした。
ちょっとしおらしくしたら、ほいほいついてくると思う。
だって悠はウチにベタぼれだもの。
じゃなかったら、騙されてるウチのこと、そこまで心配してくれないと思うし、助け出してもくれないと思う。
本当にありがとう。
悠。
でも、ちょっと恨んでる。
悠がウチにもっとちゃんと告白してくれてたら、あんな奴に引っかからなかったのに。
ウチの大切なものだって、ちゃんと悠に……。
そんなのいまさらだけど、もし悠がウチのこと許してくれるなら、日記読んでないで、早く下に来てほしい。
でも、ウチに嫌気が差したなら、鍵はそのままでいいから、できるだけ静かに出て行ってね。